第18章 将棋をしましょう
「へー、その髪の色って染めたんじゃなかったんだー
俺てっきり染めたのかと思ってたー」
「髪は茶色なのに、瞳の色は真っ黒なのだよ」
『…変?』
「変ではない
#NAME1#によく似合っているよ
詰み」
『うわぁぁぁぁぁ!
また負けたよ、13連敗だよ!?』
「もう一回やるかい?」
『時間的にこれが最後になるかなぁ』
ちらりと時計を確認すると、保健室行ってからだいぶ時間が経っている
マネージャーの仕事もあるし、恐らくこれが最後の対局だな
『そいえば虹村先輩にコーチ
いつまで将棋見てるんですか?』
「あ、やべ」
あたしの言葉で気がついたのか、急いで練習再開の指示を出すコーチと虹村先輩
その指示のおかげが、あたしと征十郎の周りから人がだいぶ減った
「そいえば#NAME1#
お前はカラーコンタクトを着けてたりするのかい?」
『え、着けてないけど』
「実は先ほど、#NAME1#の目がオレンジ色に見えたのだが…」
『・・・気のせい、じゃない?』
「そうか」
最終的にマネージャー業も忙しくなく、もう何局かやったのだが
あたしは結局一勝もできずにその日は終わったのだ