第17章 水色と
『え、あ、やば』
テツヤにミスディレクションのことを少し説明しようとしたら重い荷物(自転車の時は籠に乗せてた)でバランスを崩してしまったらしく、後ろへと転倒しているのだ
・・・まただ、この感覚
景色がスローモーションになって動いていて、ゆっくりと後ろへ転倒していく感覚
体育祭で2、3回経験したせいかだいぶ慣れた
ゆっくりと目を瞑り、来るであろう痛みに備える
「危ないっ!」
『うおっ!』
その瞬間にテツヤにガシッと荷物を持っている腕を掴み、転倒は免れた
しかし今度はテツヤの胸へとポスッと入ってしまったのだ
その反動に2人で地面へと倒れてしまった
『テテテテテツヤ!』
「大丈夫ですか?」
『大丈夫!
テツヤこそ下敷きになってるけど大丈夫!?』
「大丈夫です」
『良かったぁぁ
重いでしょ?今退くね』
あ、足首痛い
バランス崩した時にでも捻ったかな
『ははは…ごめんテツヤ
足首捻っちゃったみたいで、動けない』
「じゃあこうしましょう」
テツヤは失礼しますと呟くと、ギュッとあたしを抱き抱えてからテツヤの上にあたしがいる状態を、あたしの上にテツヤがいる状態に変えたのだ
つまり、クルッと回したということになる
『ん、ありがと』
「手に捕まって下さい」
右手を差し出しながら言うテツヤ、その手に捕まって立ち上がる
『サンキュ』
「足首大丈夫ですか?」
『んー、歩く程度ならね
とりあえず荷物を…』
荷物を運ぼうと思い、周りを見ると少し荷物が散らばっていた
・・・これは、片付けるのが面倒そうだな