第16章 お嬢ちゃん
「#NAME1#ちゃーん
それじゃ落ちちゃうよー?」
『それは高尾に抱き付けと』
「そりゃ好きでもねー奴に抱き付くのは嫌かもしんねーけどさ
落ちて傷負うよりマシだから我慢して?」
高尾が自転車から降りて押すという案はないんだ
落ちて怪我したくないため、仕方なく高尾の腰に腕を回す
いや別に2次元キャラに会えて嬉しいけどさ、男子に抱き付くのって勇気いる
『「(距離近っ!)」』
距離の近さにテンパって、必死に話題を探そうとするが、ほとんど高尾が話してしまったために話題がないに等しい
その中で唯一あたしが見つけた話題は
『さ、坂道とか辛かったら降りるから!』
自転車についてで余計に墓穴を掘ってしまった
ああああ、誰か話題を、コミュ力が長けてる高尾並みな人!
「俺そんやか弱くねーよ?
伊達に運動部ってわけじゃねーんだからな?」
あ、意外にノってくれた
そんな事を考えるも、やっぱり話題は続かなくて困っているときに、こんな声が聞こえた
『見てみて!
あのカップル初々しくて可愛い!』
『カッ…!?』
「ブハッ!」
もうこの状況を、誰かなんとかしてください