第16章 お嬢ちゃん
「てことでアドレス交換しようぜ!」
なんで着地点がそこになるんだ
『まあ、良いけど』
「じゃ携帯貸して?」
『え、あ、どぞ』
少し戸惑いながらも高尾に携帯を差し出すと、手慣れた手つきで赤外線通信を始めた
なんか予想通り
そんな風に、速攻赤外線通信をした高尾は1分も経たないうちに携帯を返してきた
「はい。できた
困ったこととかあったらいつでも連絡しろよな!」
『あ、ありがと』
困ったことってなんだ困ったことって
あ、今は虹村先輩が横暴過ぎて困ってるな
あと紫原と一緒にお菓子食べて太ったし(自業自得だが)
「あ、そうだ
妹のこと助けてくれたお礼に送ってやるよ!」
『(いえ、実はあなたの妹に助けられたんです)』
そんな恥ずかしいことを口に出すわけにもいかず、先ほど高尾が述べていたことを思いだして疑問をぶつける
『高尾、自転車って言ってなかった?』
「そうだけど?」
『…2人乗り?』
「何当たり前のことをきいてんだよ!#NAME1#!」
『捕まるよ?』
「大丈夫だって!
ほら行くぞ、あっちに停めてあっから!」
その瞬間にあたしの腕を掴み、スタスタと進む
しばらくすれば駐輪場があり、高尾の自転車らしきものがあった