第16章 お嬢ちゃん
「これ、クラスの子が着けてた」
お嬢ちゃんの目線の先にあるのはカチューシャ
可愛いのからシンプルまで健在だ
「…これにする」
『どれ?』
「赤いの」
・・・赤いカチューシャ?
それって何かで聞き覚えがあるような…
「お姉さん
渡すの緊張するから…あの『着いてくよ?』」
「…じゃ、呼び出す」
そう言って携帯を取りだしお嬢ちゃん
え、今の小学生ってみんな携帯持ってんの?
ちなみにお母さんに電話してからにするらしい
あ、あたしも虹村先輩あたりにメールしておこう
遅いとか言われてまた何かされるかもしれない
「そう。そこ、じゃあね」
『どうだった?』
「部活午後からで、近くに居るからすぐに来るって」
『へぇ、良かったね』
微笑むとお嬢ちゃんは照れながらも微笑み返してくれた