第14章 昇格試験
『…暇だ』
携帯を見るがメールも特に来ておらず、面白そうなニュースもない。そして寒い
それなら部室内の話題でも聞くかとマフラーを顎のあたりまで上げながら、壁1枚向こうの会話に耳を澄ませる
「いや~…ダメっしょ~初日ってもあれはさすがにショボすぎでしょ何度かヒネリつぶそうかと思ったし」
「あ"ーおれも見ててムカツクわ」
「…今別に崎ちんに話し掛けたわけじゃないんだけどー」
「あ"あ"!?てめぇケンカ売ってんのか!?」
「やめるのだよ2人共。あとお菓子をすぐ食うな紫原」
知っている会話だと理解する。そうだテツヤが来た初日はこんな会話もあったと懐かしいという気持ち抱きながら、このまま彼らの会話を盗み聞くことにした
「…とは言え黒子についてはオレも同意なのだよ今後大丈夫なのか赤司」
「まあ予想はしていたが…確かに練習には最低限ついてきてもらわないと困るね
そこは彼に頑張ってもらうとして…あとは実践で認めてもらうしかないな」
「…実践?まさかあいつを出すのか?」
「んだよ赤司お前まだ言ってなかったのか?
ウチの地区ではこの時期毎年上位10校で交流戦を行っている。非公式だがただの練習試合より熱の入る大会だ」
「?知っています。来週ですよね」
「ああ…けど帝光は基本実力的に頭2つ抜けてるからな
あえて厳しくするためにわざと制限つきで試合をする。まわりには言わねーけど」
あー大事な話だけど虹村先輩早く話終わらせて征十郎を解放して早く帰らせてくれと、寒さを誤魔化すため服の上から腕を手でこする
今年は一段と寒いとニュースにもなっていた。ハイソックスからタイツに変えるべきか、でもそうすると着替えが面倒なんだよなと悩みどころだ
「今年の制限は1年のみだ今までスタメンは上級生ローテーションでかえていたが今回はお前ら5人だけで戦ってもらう」
『へっくし!』
「…上級生もベンチに入っているが万一危なくなったら交代するがもしそうなったら最悪降格も覚悟しとけよ
それともう1つ、1年つーことで黒子にも6人目として出てもらうただし使えなけりゃ 即降格だ」
くしゃみがでて鼻がムズムズするので屈んでカバンからティッシュを探す
風邪ひかないといいなあと考えていると、またも予想外の言葉が続くことになる