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【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《1》

第14章 昇格試験





「決まったー!!どうなってんだこれは…!?」

「パスが急に方向転換…!?」

「いやタップしてはじいてるんだよあの…えーと…カゲうすい奴が!!」

「マジかよ…3軍が2軍を押してるぞお!?」


その時虹村先輩の「試合中に見失うとかあるかあ?」という心を読み取ったかのように征十郎はポツリと喋りだした


「…ミスディレクション、手品などで使われる人の視線を誘導する技術です」

「…手品ぁ!?」

「右手で派手な動きをして注意をひきつけ左手で次のタネをしこむああいうやつです」


征十郎の話していく言葉に耳を傾けるコーチに虹村先輩。もちろん耳を傾けるだけであり、視線はがっつりテツヤを見ている


「別にこの技術は手品限定のものではありません。人の眼には様々な習性があります
視界に速く動くものと遅く動くものがあれば速い方を追ってしまう
目の前の人がふとよそ見をしたら同じ方を見てしまうなど、そうした習性を利用し視線を操る技術の総称がミスディレクション」

『(よくこの一瞬でそこまで見抜けるなあ)』

「彼はこれをバスケットに応用している。たとえばカットを切る直前、目線やしぐさでマークマンの目をボールや他の選手に誘導する
結果 元の存在感の薄さとあいまって彼はコート上からあたかも幻のように姿を消す」

「ふ…ん……で、こうなることは全部わかってたんかお前?」

「少し違いますね。方向性は予想通りでしたが、まさか視線誘導を取り入れてくるとは思わなかった。期待以上、です」


彼の口角が上がっている。とても楽しそうだなーなんて見ていると試合は3軍が押している状況から変わらない


『これは名前の差し金かい?」

『え』


急遽振られる質問に驚いてしまう。こんなことはなかったはずだが、いるから聞かれているのだろうか


『…何にもしてないよ』

「そうか」


この先を知っている人がアドバイスしただけで何かしたかと言えば何もしていないから嘘はついていないだろう

征十郎がそれをわかっているのかは分からないが、ミニゲームは6点差で3軍が勝利した






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