第14章 昇格試験
年が明け新学期、雪が積もっていても練習はある。相変わらず中学生なのにハードな練習だと思っているとついにその日がやってきた
「おーい赤司!お客さんだ」
聞いたことのある台詞に振り返ると体育館の入口にテツヤが立っていた
スケジュールを確認する、と確かに今日は2軍と3軍は合同練習日になっている
ようやく来てくれるのかと嬉しくなって勝手に上がってしまう口角を必死に下げながらやり取りを見ていた
「やあ黒子くん待っていたよ。3か月ぶりだね、答えはでたかい?」
「はい」
「では…「あの…1つお願いがあるんですが、可能ならば…試合形式で見てもらえないでしょうか」」
テツヤの言葉に少し動揺を見せる征十郎だったが、すぐに表情は戻る
「わかった。聞いてみよう。#NAME1#」
『…は?』
「待っている間、黒子君を頼むよ」
予想外の展開に今度はあたしが動揺してしまう
こんなことは元々なかったと考えるが、征十郎なりの緊張をほぐすための何かなのだろうと推測し練習にならないよう端で話をする
「#NAME1#さん」
『待ってたよテツヤ!答えが出たんだね』
「はい。あの時はありがとうございました」
『ううん、あたしは何もしてないよ。テツヤの頑張りだよ』
「そんなことありません。#NAME1#さんにも助けてもらいました」
『テツヤ…なんていい子!』
本当はこの先を知っているからなのだが、それでお礼否定するのはおかしくなるだろうと素直に喜ぶ
視界の端で征十郎と喋っている虹村先輩がテツヤを見て、本当に征十郎がテツヤを推薦しているのか疑っている目でこちらを見ていた