第14章 征十郎とテツヤ
「・・・・・・なるほど。やはり面白いな」
テツヤにいくつかの質問をして話しをしている征十郎
ていうか、あたし居る意味ある?
「初めて見るよ。キミほど……バスケットボールに真剣に打ち込み、その成果が伴ってない人は」
『征十郎、それ貶してる』
征十郎の言葉にショックを受けたのか、固まっているテツヤ
「すみません…ちょっと今
その言葉を受けとめることができる精神状態ではないです」
「ああっすまない
そうゆう意味ではないんだ
俺は感心しているんだよ」
ふいっと顔をあげるテツヤ。その表情は少しびっくりしているようだ
「運動能力は低いが、運動神経は悪くない。頭が悪いわけでもなく、スポーツIQはむしろ高いと言っていい
キャリアと練習量も、十分経験者と呼べるものだ。にもかかわらず…キミを見てもなにも感じない
これは極めて特殊なことだ。普通どんな人間でも何かスポーツをある程度やりこめば、強弱の差はあれ、経験者特有の空気が出る、出てしまうものなんだ」
そこで1度言葉を止め、こちらを見る征十郎
…何か用があるのか
「平たく言えばキミは日常生活に限らず、スポーツ選手としても存在感があまりない
繰り返すが、これはとても特殊なことだ短所ではなくむしろ逆」