第13章 彼の誕生日と
征十郎と言うと赤いイメージだが、さすがに髪も赤いためマフラーまで赤にするわけにはいかない
「なんかその人の好きな色とかあんの?」
『えー何色なんだろ…』
赤や水色など、その他にも色々な色を見たがピンと来ず、現在の帝光と彼が進むであろう洛山のユニフォームが白ということを思い出し、白のマフラーを手に取る
征十郎だから、白でも汚してしまうことはないだろう
「白にすんの?」
『うん。自分のどうしよっかな』
「名前ちゃんは目がさっきオレンジ色だったし、似あうからオレンジが良いと思うぜ!」
『え、オレンジは高尾でしょ?』
「あーでもオレは濃いオレンジだな、これにするわ!」
そう言って、レジへとオレンジとそれに比べ濃いオレンジのマフラーを2つ持っていく高尾。あたしは既に持っていた白のマフラーを持ってその後ろを追いかけた
『付き合ってくれてありがとね高尾』
「いやいやこちらこそ、マフラーもらっちゃってサンキューな!」
高尾の言う通り、彼の分のオレンジ色のマフラーを今日のお礼として奢ろうと思ったのだが、遠慮されてしまったので誕生日プレゼントをあげれなかった代わりとしてあげたのだ
既に彼の首とあたしの首に今日買ったマフラーが巻かれているが、征十郎のはラッピングしてもらい紙袋の中に入ってる
カシミアとか高いではないので彼が喜ぶかはわからないが、人からもらったものを安物だから大事にしないとかそういうタイプでないことはよく知っている。なんであれ、彼は受け取ってくれるだろう