第11章 仲間
宇随さんの隣の人は白髪で、胸元を大きく開いて隊服を着ていた。
それに雰囲気がとても………怖かった。
「…あァ?」
その人は不死川さんといった。
「おい不死川、初対面の女にあんまガン飛ばすなよ
煉獄んとこのだ。あの。」
不死川さんは私のことを知っていたようで、宇随さんの言葉で合点がいったようだ。
でも彼はあまり私と目を合わせてくれず、不器用にお互い自己紹介をしたところで杏寿郎さんに呼ばれてしまった。
皆のところに行こうか迷っていると、彼はこちらに来てくれた。
「宇随に不死川!久しいな。これから花見をするんだが、無論君たちも来るだろう?」
「俺は胡蝶に用があって…「いいなぁ!花見か!酒もあるんだろうな?
おら、行くぞ不死川」
引き返そうとした不死川さんの肩に無理矢理腕を回した宇随さん、
ちょうどその時 小鳥のさえずりのような話声が聞こえたかと思ったら…
「あら?ちゃんじゃない!ちゃ~ん!」
こちらに駆け寄ってくる女の子、桃色の髪の毛は恋柱の蜜璃ちゃんだった。
私の手をとって再会を喜んでくれる彼女はとっても可愛かった。
蜜璃ちゃんの隣にいる人、白と黒の縞模様の羽織を着ている人とは初対面だ。
「あっあのね、こちらは蛇柱の伊黒さん!太刀筋が本物の蛇みたいにうねって、すごくお強いのよ」
彼の方に視線を向けると、蜜璃ちゃんはすかさず紹介をしてくれた。
その後も蜜璃ちゃんによる伊黒さんの紹介(弾丸褒め)は、彼が自らの額に手を当てて「もう、いい甘露寺、十分だ。」と言うまで止まらなかった。
蜜璃ちゃんはそう言われてちょっと落ち込んでしまったようだけど、伊黒さんは満更でもないような顔をしている。
柱としての関係性、以上のものが二人にはあるのかしら…なんでぼぅっと考えていたら
いつの間にかお花見は ここにいる全員ですることとなった。
宇随さんと、今晩は非番の杏寿郎さんがお酒を飲み始め、
その場は予想通りのどんちゃん騒ぎとなった。