第10章 情景
「、…ありがとな。けどよ、鬼と対峙する前にに何かあったら元も子もねえだろ?
…俺の嫁たちはくの一なだけあって、薬や毒に耐性がある。だがは違うだろ?」
宇随さんに言われて、今回のことを唐突に思い出した。
確かに…あの時はかなりまずい状況だった。
杏寿郎さんが助けてくれなかったら今頃どうなっていたか、考えるだけでぞっとする…。
「…それに……お前はちょっと目立っちまったからな、
まぁ予想はしてたが、そうなると状況はこちらに有利とはいえない。」
のせいじゃねえけどなと続ける宇随さん。
彼の言っていることは正しく、私は何も言えなかった。
「うむ、、人には適性がある。なにもこの任務から逃げるわけではない。
他の場所で君にできることを懸命にやれば良い。
…家に帰らないか?。」
家……。
私も、帰りたい…。
なんだか、泣きそうになってしまったのを堪え、
はい、と返事をし、
荷物を取りに行くため杏寿郎さんと見世に戻ることにした。
背後で宇随さんが にんまりとした笑みを浮かべてこちらを見ていたことなんて、気が付かなかった。
(…あんなムキになった煉獄 初めて見たぜ…。
……ありゃあいつ…)
二人の背中を見送った宇随はふっと姿を消し、任務へと戻った。