• テキストサイズ

【鬼滅の刃/煉獄】真冬の夜の夢

第7章 夢か現か












甘露寺蜜璃…鬼殺隊の柱の一人である彼女もまた、刀の刃こぼれを直してもらうため刀鍛冶の里に来ていた。

昨日から滞在しているのだが、鬼殺隊には女性が少ないためか、これまでもここで他の女性隊士と会うことはなかった。


(…温泉をひとり占めできるのは良いけれど、やっぱり寂しいわね…)

そんなことを思いながら、今日も温泉に入ろうと石段を上っていた。
しかしあろうことか、そこには先客がいたのだ。
蜜璃の心はキュンと音をあげて跳ねた。

先に温泉にいた彼女は黒髪をひとつにまとめていて、そのうなじから肩にかけての曲線が、滑らかな白い肌によって艶めかしく映っていた。


(きゃぁ!女の子だわ~!綺麗な人ね、私より年上かしら…?でも関係ないわ、仲良くなれるといいわ…!)

蜜璃が心の中でガッツポーズを構えたところで、彼女が振り向き目が合った、

(きゃ~!目が合っちゃったわ!どうしよう…あっ挨拶しましょう!)


「こんにちは」
「はっはじめまして!」


…二人の声が重なってしまった。


「…ふふっ」っと二人して笑った後、が"一緒に入りましょう"といい、蜜璃も温泉に浸かった。


そしてお互い自己紹介をしたとき、蜜璃はの名前をついこないだの柱合会議で聞いたのを思い出した。


「ちゃんって、あのはっ…、れ、煉獄さんの継子のちゃん??」

「?そうなの、でもどうして知ってるの?」

「こないだの柱合会議で聞いたのよ~、上弦の参との戦いの子細も聞いたわ、もう本当に体大丈夫なの?」


思わず"白羅族"と口走りそうになったのを必死で止めた蜜璃はとても焦った。記憶を無くしている本人には、まだこのことは伝えない方が良いというお館様の判断で、柱以外の者には口外しないと決められていたのだ。


「柱合会議…?ということは、蜜璃ちゃんも柱なのね!すごいわねぇ、尊敬するわ!」

そんなことは露も知らないが牡丹のような笑顔でそう言うので、蜜璃の心は少しだけチクっとした。





/ 214ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp