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【鬼滅の刃/煉獄】真冬の夜の夢

第5章 遭遇







あぁ……あぁ…!!



炭治郎は目の前の光景に……



絶望した…

















猗窩座の拳が炎柱の彼に届く前に、私は両者の間に滑り込んだ。
腹部に今まで感じたことのない激痛が走る。
猗窩座の右腕が私の鳩尾に貫通していたのだ。

全身の細胞が生命の危機を感じて震える。
あまりの衝撃に目の前が真っ暗になる。




しかしまだ戦いは終わってないのだ。




「くっ…うぅ……」



私は両の足を大きく開いて体制を低くし、猗窩座の腕が抜けないよう両手でがっしりと押さえつける。


(この鬼を……ここに留めれば、……きっと……)



そう思い終わる前に、私の後ろの人物が猗窩座の首めがけて刀を振り下ろした。




刀が首に入る……が、

猗窩座は杏寿郎に左腕で殴りかかる。


しかし杏寿郎はその拳を、刀を持っていない方の腕で止める。



血が逆流して口から止まらない。


でも、


(絶対に、離さない……!!)








「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」

「ああああああああああああああああああああああ」





二人の雄叫びが響く


私は気を保っているのがやっとだった。



東の空が明るくなってきた。

じきに日の出だろう、


(もう……少し………!!!!)



朝日が山の間から出てくるのがこの上なく長く感じた。









しかし…皆の願いは届かなかった……







ズンっっドォン!!!!!!!!!!!





猗窩座は思いきり地面を蹴りつけ、自ら、自身の両腕と杏寿郎の刀をもぎ取り林の中へ逃走した。


支えを失った私は前のめりに倒れ込んだ。



(追わ……なくては………また……誰かが傷つく………)






先ほど私の刀を託した少年が何か叫んでいるのが聞こえる……




目の前にはあの炎柱の顔があった



「死ぬな…!…生きろ!!!生きてくれ…!!!」



私を抱え頬に手を添えて叫ぶ。




(あぁもう…どうか…そんなに大きい声を出さないでほしい…

あなただって…こんなに大きな怪我をしているのだから…)







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