第16章 暁闇の元
「んぅ……きょ…じゅ…っ…」
口づけの後、酸素が足りなかったのかの瞳は弱弱しく蕩けていた。
「……君のことになると俺は…感情的になる………何か飲むものを買ってくる。」
これ以上抱き合っていたら、俺は本当に堪らなくなってしまう…。
"君は待っていてくれ"と言い立ち上がった時、の浴衣がりんご飴で汚れていることに気づいた。
「ぁ…私ったら…」
皿代わりにもらった海老煎で大惨事は免れたのは不幸中の幸いだった。不意で手放してしまったのだろう。俺のせいだな。
「手ぬぐいももらってくるからな」
礼を言う。彼女を置いていくのは不安だったが、あんな顔のを人目にさらす方が心配だ。
一番近くの屋台と社務所で用を済まそう。
早く戻りたい。
…………