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【鬼滅の刃/煉獄】真冬の夜の夢

第16章 暁闇の元














杏寿郎さんの姿が、縁日の灯りに消えてゆく。
いつもなら、汚れてしまった浴衣を早く洗わなければ…なんて思うけど、今はそれどころではなかった。


…お祭りの雰囲気は不思議なものだ。
なんだか、現実世界ではないような気さえする…。
今日のことが、実は夢でした、なんてこともあり得そうな程…。


もっとよく見たい。そう思い指輪を指から外してみる。
キラキラと光を反射したダイヤモンドが本当に美しい。
これが杏寿郎さんから贈られたものだなんてすごく嬉しい。



その時…

「ん゛ん゛…!!!」


突然、後ろから布のようなもので口鼻を覆われた。
ツンとした刺激臭。

は腕を橙の光に伸ばすが
宙を掻くだけでそれは掴めない。





杏寿郎さん……











「?」

冷えたラムネと手ぬぐいを持って戻ると、そこにの姿はなかった。

代わりに見つけたのは、長椅子の隙間にキラリと光る、何か。
近づくとそこには、に贈ったはずのあの指輪が挟まっていた。


「!!!!!」


地面に転がったりんご飴は、毒々しい程に紅かった。






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