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【鬼滅の刃/煉獄】真冬の夜の夢

第15章 ゆくりなくも













「……杏寿郎さん…」


もっと、早く戻るべきだったと後悔した。

振り向くと火照って涙目のが俺を見上げていた。

「……っ」

そんな顔…他の輩に見せたくないな…


俺は…今にも涙が溢れ出てしまいそうな彼女を
優しく抱きしめた。

「奴の言うとおりだ…。、怖い思いをさせてすまない。」
「ん…ううん…。私こそ、勝手に動いてしまってごめんなさい…。」
「体調、治ってないのだろう?熱もあるみたいだ…。」
「うん…ごめんね……ちょっと…辛いかも…」
「胡蝶のところに行こう。ここから近かったはずだ。」

そう言い俺はの体を持ち上げ横抱きに抱えた。

「きゃっ」

彼女は吃驚したようで俺にしがみつく。
安心させるよう目を合わせ微笑んだ。

「私…、いつも杏寿郎さんに抱えられてますね。」
「なに、君はこうして抱えられていればいいんだ。」
「もうっ、子供扱いしないでくださいっ、私だって、杏寿郎さんくらい抱えられるのよ?……まぁ、杏寿郎さんはこんなへましないでしょうけど。」
「それでは、今度試してみようか。本当に俺を抱えられるのか。」


とりとめのない会話が可笑しくて、ふたりは笑い合う。






 
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