第14章 琴線に触れる
冨岡さん……冨岡さん……
誰…?
ここは…どこ…?
目の前の人は……倫也…お兄さま……
ここにはおとうさまもおかあさまもいて…
幸せで…
でもここは、わたしがいて
良い場所なの……?
…目の前の世界が、万華鏡のようにころころと移り変わってゆく。
ーーー
ーー
ー
「たったふたりの兄妹なんだから、仲良くしなさいね…」
「白羅の力を支配しなさい。なら…きっとできる。」
…おかあさま……おとうさま……
ーーー
ーー
ー
「お兄さま、ずっと一緒にいましょうね!約束!」
…兄と、指切りげんまんをしている…。
でもどうしてか、だんだんと、
その兄の顔が、血に染まってゆき…
「!逃げろ!!」
兄がわたしの体を押しやる。
兄はそのまま、炎の中に……
嫌…嫌…、ずっと、一緒にいるって…約束したのに……
……守れなかった……ごめん…ごめんなさい……
兄さま……兄さま……
ーーー
ーー
ー
「倫也…兄さま…!」