第14章 琴線に触れる
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ーーーー白羅族…
今晩はが急変した際すぐに対応できるよう、
俺は彼女の寝ている隣の部屋で眠ることにした。
布団には入ったものの到底眠れるはずもなく、
ぼんやりと、数週間前のことを思い出していた。
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その日、俺はお館様に呼ばれ産屋敷邸を訪れていた。
屋敷の奥の部屋に通され、お館様と対面する。
側にはあまね様も控えられていた。
「杏寿郎。今日は来てくれてありがとう。」
「とんでもないことでございます。お館様、あまね様。」
「さて…早速だけど、本題に移ろうかね。最近、はどんな様子かな。君の継子になってしばらくが経つけれど、彼女の能力や意識の変化など…教えてくれるかな。」
…予想はしていたが、お館様が俺を呼ばれた理由はのことについてだった。
現時点で俺に見えていることを簡潔にお話しすると、お館様は続けて、
「ありがとう。これからもの様子をよく観察して報告を続けてくれるかな。鬼殺隊のために…。彼女は鬼舞辻にとっても、欲しくてたまらない存在だからね…。」
「…承知しました。鬼殺隊のため、彼女に対する鬼の反応なども、注意深く見ておきます。」
「頼んだよ、杏寿郎。」
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今回の事も、お館様に報告しなければ……
天井を見据え、ふーっと息を吐く。
しかし、眠れない理由はもうひとつあった。
今日見て、しまった、のあの陶器のような肩口から二の腕、背中が忘れられないのだ。
…乳房も……少しだけ見てしまった。
見るからに柔そうなあれは…どんなに……
…の眠る部屋の襖を一瞥してから、俺は立ち上がり厠へ向かった。
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「……うっ…」
…俺は…本当に最低だ…
自分の欲でべとべとに汚れた左手を見て、心底そう思った。
彼女の…あの体を見てしまっては、陰茎をもてあそぶ右手を止めることなどできなかった。
2回ほどしてやっとすっきりした俺の心だったが、今度はへの罪悪感で溢れ、しばらく窓を開けた縁側で涼むことにした。
彼女を穢してしまう気がして、すぐには部屋に戻れなかった。