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【鬼滅の刃/煉獄】真冬の夜の夢

第11章 仲間








「は何を祈った?」

「私は…鬼を滅して悲しむ人をなくすこと、それと…」

「それと?」


「…こういう、杏寿郎さんとの穏やかで幸せな時間が、…できるだけ長くありますように…って…祈った…。」


「よもや…」


よもや、よもや、が何やら可愛いことを言って俯いてしまった…。


「すまない、最後の部分が聞こえなかったのでもう一度言ってくれるか?」

少しからかいたくなった。

「…っ!言いません!なんでもない!」

赤らんだ頬をふくらませ、ぷいっと前を向いてスタスタと歩いて行ってしまった。









素直に、流れ星に祈ったことを杏寿郎さんに伝えたのだが、
声に出すと思った以上に現実味が増し、なんだかものすごく恥ずかしいことを言ってしまったようだ。

羞恥で強張る顔を彼に見られたくなくて、杏寿郎さんよりも先を歩く。

少し後ろから、「、待ってくれ」なんて、
杏寿郎さんだったら私の歩幅なんてすぐに追いつけるだろうに、わざとゆっくりついてきてくれているのだ。


あんまり拗ねているのも良くないだろう。私は適当なタイミングで懐から小包を取り出し、彼に差し出した。


「これ…。良かったらもらってくれませんか?」

「む?これは?」

「開けてみて」

それは、猫の形をした根付だった。

「根付だ…、いつの間に?」

驚いた顔をする杏寿郎さん。
それもそうだろう、これは牛鍋屋で「お手洗いに行く」と嘘をついて
大急ぎで買いに行ったものだったから。

「さっきのお店でこれを見かけた時、この猫、杏寿郎さんの側にいたらかわいいなぁって思ったの。だから…」

「………」


「あの…っ、杏寿郎さん?」

彼は手の中の根付を見つめたまま動かない。

「杏寿郎…「そうか!がそんなことを思っていてくれていたとは、とても嬉しい!!俺もこの猫をお守りとして、肌身離さず持っていよう」

もう一度声をかけたところで、ものすごい大きな返事が返ってきたので吃驚してしまった。

でも…

「嬉しい…」


ほろっと、心の声が漏れた。

いつか思い出になるであろうこの一時一時を大切にしたいと、心から思った。


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