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月の雫

第15章 護られる事 護る事


深呼吸をして、封を開ける。

パンッ!!

大きな音と共に、翡翠の式神が飛び出した。

…ていうか、結界に頭をぶつけてる。

式神「酷いです、月胡…。」

『ごめん、緑だったか。
文句は翡翠に言ってね。
前回は呪をかけられたから、かなり警戒した。』

この子なら安心だから、結界を解いた。

緑「あの人は全く…
先日は大変でしたね。
アイツは地下施設で永久労働ですわ。」

ご愁傷様。
…翡翠、かなり怒ってたもんね。
殺されなかっただけ、マシだと思ってがんばれ。

三日月「月胡、大丈夫なのか?」

『うん、この子は緑。
翡翠の式神で、とても常識的な子だよ。
翡翠と違って。』

緑「返す言葉もございません。
緑と申します。
これからもお会いする事があるかと思いますので、お見知り置きを。」

三日月「三日月宗近だ。」

薬研「薬研藤四郎だ。」

二人に微笑むと、緑は私の前に跪いた。

緑「この度は誠に申し訳ない事をしました。
主が謝罪に伺いたいと申しておりますので、都合の良い日をお教えください。」

ほう…
今回は使者をたてたか。
本当に反省しているみたいだが…

『他にもあるんだね。』

緑「…ご名答です。
新たなブラック本丸が見つかりましたので、そちらの依頼もあります。」

やっぱりねー。

『明日は休暇日ですので、明後日にして下さい。』

休暇日は、ウチの子達と過ごすんだ。
ここの所、ちゃんと向き合ってないからね。

緑「かしこまりました。
…例のケーキ、持たせますからね。」

『ありがとう!』

緑「では、失礼します。」

ボンッと、緑は消えた。

三日月「なかなか、休まらぬな。」

薬研「ホントに。」

『…その本丸の子達を思うと、ね。」

今度はどんな傷を抱えているのだろう…
想像しただけで、胸が痛むけど。

今は、ウチの子達だ。

『薬研、なにか用だったんじゃないの?』

薬研「いや、大将に甘えさせてもらおうと思って。」

『そっか。
いくらでも、とーぞ。』

三日月「なら俺は、部屋に居る。」

『ありがとう。』

それから、小狐丸との約束まで薬研と話をして。
三時過ぎに庭で小狐丸の毛繕いをし、縁側でごろ寝していた明石とも話をした。

明日は加州や大和守との約束。
この幸せを途絶えさせてはいけない。



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