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月の雫

第15章 護られる事 護る事


ー月胡ー

頭が軽い。
なんか、いらないものを取り払ったようだ。
気持ちも軽い。
髭切も、本当に気にしないで欲しいなー。

小狐丸「ぬしさま。
…本当に髪を切られたのですね。」

『うん。』

小狐丸「お似合いですよ。」

『ありがとう!
そうだ、最近毛繕いしてないね。
午後の休憩の時にさせてくれない?
天気も良いし、庭でなんてどうかな。』

小狐丸「本当ですか!?
内番、がんばってきますね!!」

『ほどほどでいいよ。』

小狐丸「では、午後に。」

大きいのに、かわいいなぁ。

大和守「主ー!!」

お、またもかわいい子が。

『どうしたの?加州も一緒だ。』

加州「これ、あげる。」

『髪留め?』

大和守「そう。
加州と作ったんだ!」

加州「ほとんど、俺だけどね。」

大和守「僕は初めてなんだから、仕方ないだろ!」

雪の結晶のモチーフが付いた、可愛らしいヘアピンだ。

加州「今のピアスと合うでしょ?」

ちゃんと、見ていてくれるのね。
この子達は…

『ありがとう。
お礼、しなくちゃね。』

大和守「そんなの、いいって。」

加州「じゃ、また俺と爪紅やろうよ。」

大和守「ずるい!
えー、じゃあ僕は…甘味処に連れてって!」

『了解!
じゃ、今度の休暇日にだね。』

加州「約束だよ?」

大和守「ねっ!!」

もちろん。
そうだ、甘味処に行くなら万屋にも寄ろう。
あの店員さんにも、ちゃんとお礼がしたい。
厄除けのお守りでも作ろうかな。

おっと。
そろそろ執務室に戻って仕事しないと。

薬研「大将。」

『ん?なに?』

薬研「執務室に戻るのか?」

『そうだよ。』

薬研「お邪魔しても良いか?」

『もちろん。
一緒に、行こうか。』

薬研と二人で執務室に戻ると、三日月が微妙な顔で待っていた。

『どうしたの?宗近。』

三日月「月胡。
これなんだが…。」

宗近が机の上を指さす。
うわぁ…
ファンシーな封筒から、漂うオーラ。
翡翠からだ…
それだけで、禍々しい物に見えるよ。

『薬研・宗近。
私から離れて。』

薬研「大丈夫なのか?」

『送り主が分かってるから、油断しないよ。
でも、二人は下がってた方がいい。』

大人しく入口近くまで下がってくれたのを確認し、自分と封筒の周りに結界を張る。



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