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月の雫

第15章 護られる事 護る事


髭切…
私のために、泣かないで…

『髭切、ありがとう。
その気持ちで、私の心は護られたよ。』

髭切「月胡…。」

?「あっ、あの。」

万屋の店員さんが声をかけて来た。

店員「これ、良かったら。」

と、綺麗な和紙を渡してくれた。

店員「これで髪を包んでください。
お綺麗だったので、もったいないです。」

『…ありがとうございます。
店の前を騒がせて、汚してしまって申し訳ありません。』

店員「とんでもない!
こちらまで、スカッとしました。
…あの、またきてくださいね?
お待ちしてますから。」

『はい。』

髭切「貸して。」

『ん。』

髭切が和紙で切り落とした髪を丁寧に包み込み、自分の懐へしまった。

『どうするの?』

髭切「僕がもらってもいいよね?」

『いいけど…いるの?』

髭切「いるよ。」

『じゃ…どうぞ?』

髭切「さっ、帰ろうか。」

『うん。』

髭切に手を繋がれ、本丸へと帰った。

長谷部「主!!
どうされたのですかっ!?その髪はっ!!」

『気分転換?』

長谷部「何故疑問系なんですか!
誰かっ!手先の器用な者はいないかっ!?」

歌仙「呼んだ?
…って、主っ!!
どうしたの、その髪はっ!!!」

いや、その下りはやったからいいよ。

『歌仙、整えてくれない?』

歌仙「それはいいけど…
わかったよ、縁側に来て。
準備してくるから。」

これ以上聞くなというオーラを感じてくれたかな。
あれ?
髭切はもう戻ってしまったのか…
怒らせたかな?
いや、どちらかというと悲しませてしまった方か。

私もカッとなって、やっちゃったからなぁ。
それに、髭切に斬らせる訳にはいかない。
本当に刀解されてしまう。
あんな奴でも、刀剣が人を斬ることはご法度。
(歴史改変を修正する時は除くけど)

後で、髭切と話さないと。

歌仙「出来たよ。どうかな?」

渡された手鏡を覗くと、バラバラだった毛先が整えられ、アレンジしやすいようにカットしてあった。

『ありがとう。似合うかな?」

乱「主さーんっ!!
聞いたよっ!!髪を切ったんだって!?
似合うじゃないっ!!」

『ありがとう!』

乱「僕がいろいろ、アレンジしてあげるからねっ!」

『よろしくお願いします。』

ポジティブに行こう。
これで済んだのだから、と。



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