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月の雫

第14章 二人きりの時間ー三日月宗近ー


宗近も?

三日月「こちらへ来てくれるか?」

『うん。』

宗近の前に立つと、ポケットから小さな包みを出した。
中には小さなピアスが入っていた。

三日月「つけていいか?」

『え?私に??』

三日月「…旅の思い出だ。」

これは…
あのアクセサリーショップの物だ。
このピアスとリングで迷って、リングにしたのに…

宗近の指が私の耳に触れ、ピアスを付け替えた。

『んっ……。』

くすぐったい。
宗近に触れられた所が、熱い。

三日月「似合うな。」

『…ありがとう。』

三日月「今まで着けていたピアス…
俺がもらっても?」

『…うん、いいよ。』

三日月「ありがとう。」

宗近がすぐに自分のピアスを付け替えた。

『なんか、くすぐったいね。』

三日月「そうか?
俺はなんとも、良い気分だぞ。」

また、そういう事を…
でも…
なんとなく、分かるよ。
宗近にもらったピアスに触れる。

…同じ事を考えていたんだね。
それだけで、この旅が意味のあるものへと変わる。

髭切「月胡、帰って来てんだね。」

『ただいま、髭切。』

膝丸「おかえり。」

三日月「では、また後でな。」

『はーい。』

髭切「……。」

なんだか、髭切が宗近を睨んでる?

膝丸「月胡との繋がりが途絶えていたから、拗ねているだけだ。」

『そうなの?』

髭切「違うし。
…寂しかったのは、認めるけど。」

可愛い事を言ってくれる。

『じゃ、次は髭切・膝丸と行こうか。』

膝丸「いいな。」

髭切「約束だよ?
でも、別々の方がいいかな。」

膝丸「そうだな。」

『そういうものなの?』

てっきり、一緒がいいのかと思った。

刀剣一人一人と旅か…
新たな気持ちに出会えるだろう。
自分の進みたい道も見えてくるかもしれない。
まだまだ、修行が必要だな。

髭切「で、土産は?」

『広間にあるよ。
着替えてくるから、先に行ってて。』

膝丸「ここで待ってるから、一緒に行こう。」

『わかった。』

また、明日からがんばろう。
この愛しい本丸の為に。



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