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月の雫

第14章 二人きりの時間ー三日月宗近ー


辺りが暗くなり始めたので、ホテルへと戻る。
夕食はホテルのフレンチレストランで。
地元の食材を使っていて、自慢の料理なんだとか。

確かに、見た目も味も最高だった。
初フレンチの宗近は、一度教えただけでマナーは完璧。
元から所作が雅だから、問題なかったみたい。

『沢山歩いたし、食べたねー。』

三日月「そうだな。
身体は大丈夫か?」

『うん。
宗近、お風呂に行こうか。
本丸みたいに、広い浴場があるんだって。』

三日月「一緒に入るのか?」

『残念、男女別でーす。
浴衣持って行こう。』

三日月「俺も、浴衣の方が良く眠れそうだ。」

着慣れている方がいいか。
入口の所で別れ、お風呂につかる。
広い露天風呂は気持ちいいなぁ。
本丸の大浴場は刀剣男子専用みたいなものだから、入った事はない。
私室の浴室も広い方だとは思うけど、単身用。
この、温泉でしかも露天風呂。

『最高…。』

ゆっくり温まり、身なりを整えて浴場から出ると、宗近が待っていてくれた。
浴衣姿は見慣れているけど、旅先のせいか新鮮に感じる。

『湯冷めしてない?』

三日月「あぁ。
そんなに待ってないからな。」

そう言って自然と繋がれた手が温かかったので、嘘ではなさそうだ。

『温泉はどうだった?』

三日月「体の芯まで温まった。
これは、癖になりそうだ。」

『同感。』

部屋に戻り、ルームサービスでお酒を頼むことにした。
まだ、寝るのには少し早い。

三日月「では、乾杯。」

『乾杯。』

本丸では飲まないシャンパン。
グラスを持つ宗近の指が綺麗だな…

三日月「明日はどこへ行く?」

『沿線の神社仏閣巡り。
プラス、行きたいアクセサリー屋さんがあるの。』

三日月「わかった。
明日も楽しみだな。」

『うん。』

恋人が出来たら…
こんな感じかな。
まぁ、無理な話なんだけど。
審神者でいる事をえらんだのだから、普通の恋人や恋愛は望まない。

だけど…
誰かを密かに想う事は許されるかな。

三日月「そろそろ、休もう。」

『そうだね。
どっちのベッドで寝る?』

三日月「月胡と同じ」

『却下。
私が窓際で寝る。』

三日月「つれないなぁ。」

『おやすみ、宗近。』

三日月「おやすみ。」

一緒に寝たら、流されそうで…怖い。
考えないつもりが、二人きりだと意識してしまうよ。



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