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月の雫

第14章 二人きりの時間ー三日月宗近ー


ご挨拶も済んだし、本格的に観光するぞ!

『なにか食べようか。』

三日月「そうだな。
月胡は何が食べたい?」

『ここ、どう?』

調べて来たお店をスマホで見せる。
(ここでは、本丸のように端末を簡単には開けないから翡翠からスマホをもらった)

三日月「どれ。」

スマホに顔を近づける宗近。
当然、私とも近くなるわけで。

三日月「よさそうだな、ここにしよう。」

そのまま、微笑みかけられた。

『う、うん。』

三日月「どうした?月胡。
顔があかくなっているぞ。」

『…確信犯でしょ。』

瞳が楽しそうだもん。

三日月「月胡が意識してくれているのが嬉しくてな。」

バレてるよ。
私の中の宗近…
抑えられたくなかったら、いちいち私の感情を伝えるんじゃない。

三日月「さ、行こうか。」

余裕だなぁ…
長く生きてるから?
宗近の性格?

…そういえば。

『さすがに時空が違うから、髭切・膝丸との繋がりは断たれたな。』

三日月「そのようだな。
今は俺だけだ。」

だーかーらー。
こう、ドキッとする事をサラッと言わないで。
恋愛未経験の私にはなかなかハードルが高いよ。

…ん?
ていうか…

『これって、もしかしなくても宗近とデートだよね。
甘味処に行って以来だね。』

三日月「そうだったな。」

と、優しく微笑む宗近。
…私のおバカ。
何、自分から意識するような事を言ってるんだ。

三日月「そう、構えるな。
せっかく休暇て来ているのだ、楽しもうではないか。」

そうだった。
膝丸が気遣ってくれたんだから、リフレッシュして帰らないとな。

『そうだね、もう余計な事は考えないよ。』

もう、徹底的に楽しんでやる。

お昼を食べ、駅に戻りながらお店を見る。
和風なお店が多いな。
…みんなのお土産、探そうかな。
簪や根付、柘植の櫛。
似合いそうな物を探すのは、楽しい。

あ。
万年筆に三日月の蒔絵が施してある。
下地の色は濃紺…
まんま、宗近だ。
宗近は…
少し離れた所でお土産を見てるから、今のうちに会計してもらおう。
旅行から帰ったら、お礼としてプレゼントしよう。
包んでもらった物をバッグにそっと仕舞い、観光を続けた。



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