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月の雫

第14章 二人きりの時間ー三日月宗近ー


隣を歩く宗近を見上げると、海風に濃紺の髪が揺れている。
太陽の光を受けて、透き通るように美しい。

…この人は、陽の光の元でも輝いている。

三日月「どうした?」

『…宗近が綺麗だと思って。』

三日月「俺が?
俺は男だぞ?
綺麗というのは…」

こちらを向き、私の髪を一房すくうと口付けた。

三日月「月胡、お前のことだろう?」

…はい、1キュンいただきました。
宗近の顔面偏差値で言われると、即死レベルだよ。

『そんな風に言ってくれるのは、ウチの子達だけだよ…。』

三日月「…月胡は自己評価が低い。」

『えー?』

三日月「…いずれ、わかる。
嫌というほど、な。」

『??』

三日月「さ、電車が来たぞ。」

『あ、うん!』

オフシーズンという事もあり、人は少な目だ。
二人並んで座れる。

まずは、この地を護る神様にご挨拶。
神社に向かうまでの道にはお土産屋さんや土地の食べ物がたくさん並んでいる。

『うわぁぁぁ…。』

全部見たい…
全部食べたい…

三日月「今日はこの辺りで過ごす予定だろ?
月胡の気の済むようにしたらいい。」

『いいの!?
宗近はそれで。』

三日月「月胡の喜ぶ顔が見られれば、俺はそれでいい。」

宗近…
私の休暇だからってそう言ってる訳ではなさそう。

三日月「では、行こうか。」

『うん!』

自然に繋がれた手が温かい。
この手は…
いつも私を護ってくれている。

お店を色々見て、食べ歩きしていたら神社に着いた。
大きな神社だ。
気持ちの良い所だけど、さすがに沢山の人の思いに溢れている。
いいものも、悪いものも。
宗近と私の周りに結界を張って…
土地の神様の為に浄化しておこう。
結界を張ってから参拝し、浄化する。

三日月「休暇で来たというのに…。」

『三日間お世話になる土地だから。』

いつかは戻ってしまうけど、ここへ来たのも何かの縁。
神様も健やかな方がいいに決まってる。

三日月「ふむ…
土地の神々が礼を言ってる。」

『お礼なんて、いりません。
いつも、ありがとうございます。』

どうか、これからもよろしくお願いします。



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