第13章 幸せな悩み事
でも、私の性別は変えられない。
だから、誠心誠意向き合う。
日本号「俺は…あんたが終わる時が来るまであんたの…
主の槍だ。
主以外には仕えるつもりはない。」
それは、私と共に終わる事を望むの?
『そんなの、駄目…。』
日本号「なら、終わらないでくれ。」
大きな手が頭に触れた。
切ないほどの願いが伝わってくる。
私が終わらない為には…
『みんなと別れたくないなぁ。』
日本号「俺じゃなくていい。
終わらなくて済むよう、頑張ってくれよな。」
『…考えておくよ。』
そう、それは刀剣の誰かを選ぶという事。
神と契り、自らも人の傍から外れる事を意味する。
望まれているし、望んでもいる。
ただ、選べないんだ、今は。
『日本号…
変な事を聞いてもいい?』
日本号「どうぞ。」
『日本号は…女性を抱ける?』
あんな事があったんだ。
拒否反応が出てもおかしくない。
日本号「自ら望んだ相手なら、抱きたいぜ?」
少し色を含んだ瞳で見つめられた。
『それなら、良かった。
見つかるといいね、そんな人が。』
そう言って、日本号の側から逃げた。
わかっている。
けど、分からないふりをさせて。
今剣「あるじさまー!!」
『おー、今剣。
洗濯物を入れてるの?』
今剣「はいっ!」
『私もやる。』
今剣「いいんですか?嬉しいです!」
少しずつ身体を動かしたい。
明日はやはり、和泉守でも道場に連れ出すか。
かばっ!
『わっ!!』
油断した。
干してあるシーツごと、背後から抱きしめられた。
この気配は…
『鶴丸…。』
鶴丸「正解!
珍しく驚いてたな?」
『…ていうか、どこ触ってるの?』
鶴丸「えっ?」
見えないんだろうけど、ちょうど胸を触ってるよ?
鶴丸「Σすまないっ!!」
今剣「鶴丸さまっ!ダメですよっ!!」
鶴丸「いや、わざとではないっ!!」
蜂須賀「…わざとだったら、切り捨てるよ?」
鶴丸「Σ蜂須賀!信じてくれっ!!」
あーあー、鶴丸ったら。
『事故だよ、蜂須賀。
ありがとう、怒ってくれて。』
蜂須賀「平気か?」
『んー、審神者になる時に色々と鍛えられたからからね。』
蜂須賀「女性なのに?」
『女性だから?かな。』
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