• テキストサイズ

月の雫

第13章 幸せな悩み事


次郎「おや、主じゃないか。」

休憩に本丸内を歩いていたら、広間から声をかけられた。

『次郎…それに日本号も。
昼間から呑んでるの?』

次郎「いいじゃないかー。
内番終わったしー、主は回復したしー。」

なになしらの理由をつけて、呑みたかっただけじゃない。

『で、日本号を巻き添えに呑んでるのね。』

日本号「そうそう、俺は仕方なく呑んでんの。」

次郎「ウソばっかっ!
呑む相手探してたくせにっ!!」

全く…
酒代が嵩むなぁ……

まぁ、だいぶ政府からご褒美もらってるから大丈夫か。

次郎「主も呑んでいきなよー。」

『病み上がりだからやめとく。』

次郎「えー!?
消毒だよ?消毒っ!!」

太郎「次郎…?」

あ。
太郎が黒いオーラを纏ってやってきた。

次郎「あっ、兄貴?」

太郎「何をしているんですか?
私と手合わせする予定でしたよね?」

次郎「いっ、いや!
兄貴、修行から帰ってから強すぎるんだって!
あっ、ひっぱらないでよっ!
ちょっ、主!日本号っ!!
助けなさいよー!!!」

バイバイ、次郎。
少し、太郎に鍛えてもらっといで。

『日本号も行って来たら?』

日本号「ご勘弁。」

だよねー。

『お酒は適度にね。』

日本号「心得た。」

まぁ、日本号は次郎ほどベロベロにはならないから大丈夫かな。

日本号「主、酒は飲まなくていいから少し話して行かないか?」

『うん。』

日本号から誘ってくれるなんて。
…向かい側に座ればいいかな?

日本号「…体調はどうだい?」

『もう、すっかりいいよ。
でも、体力落ちてるから本丸の中を散歩してたの。』

本当は道場で和泉守あたりと稽古(しごき)したかったけど、今日はまだ我慢だな。

日本号「助けに来てくれたのがあんたで、良かった。」

『!!』

日本号「でなければ、俺は審神者を…女を信じる事が出来なくなっていた。
あんたに会えて、人も審神者も女も、あんたなら良いと思えた。
いや…あんたじゃなきゃ駄目なんだ。」

『日本号…』

日本号「俺達を受け入れてくれて、ありがとな。」

そんな…

『受け入れくれたのは、日本号たちだよ、
怖かったよね…嫌だったよね…。』



/ 274ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp