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月の雫

第13章 幸せな悩み事


ー月胡ー

『完全回復っ!』

結局、一週間まるまる休んでしまった。
(半強制的に、だが)

審神者としてここに来てから、緊張しっぱなしだったのは認める。
でも、身体に出るほどだとは思っていなかった。
ストレスを甘く見ていたな。

石切丸「おはよう、主。
もう、大丈夫なんだね?」

『おはよう、石切丸。
ご心配をおかけしました。
今日からまた、通常通りよろしくお願いします。』

石切丸「あぁ。
では、始めようか。」

やはり、朝は石切丸と祈祷しないと調子が出ない。
心も身体もシャキッとする。
…本当は禊とか滝行したかったけど、そんな事したらどうなるか分からないほど馬鹿ではない。
(いろんなセコムが作動する)

石切丸「さっ、祈祷はこれで終わりだ。
月胡、まだ病み上がりなんだから無理は禁物だよ?」

『はい。
これ以上、心配かけられないからね。』

実は、お見舞いやらやんやらと凄かったんだ。
熱が下がるまでは宗近と膝丸が交代で看病してくれたけど、回復し始めてからは代わるがわる部屋にみんなが来てくれて。
その度に何か差し入れてくれて、幸せの悲鳴だ。

石切丸「本当に、良かったよ。
またこうして、主の笑顔が見られて。」

『私も石切丸とのこの時間がまた持てて、良かった。』

日常はこんなにも、ありがたいんだな…
当たり前だと思ってはいけない。

蛍丸「主、こっち。」

『おはよう、蛍丸。』

蛍丸「おはよう。
僕と食べよう、朝ごはん。」

『うん。』

蛍丸のところへ行くと、明石と愛染も一緒だった。

明石「主はん、おはようさん。
よぅなったみたいですなぁ。」

『うん。
ゆっくりさせてくれて、ありがとう。』

愛染「でもまた、無理するんじゃねーぞ?」

『気をつけます。』

酷い目にあったから、さすがに懲りた。
なかなか、辛かったもんね…

しっかりご飯を食べて、溜まった仕事を片付けないと。

『…あれ?』

気合を入れて執務室へ来たら、仕事が全くない。
もしかして…

『宗近、やってくれたの?』

三日月「近侍だからな。」

『いや、近侍はそこまでしなくても…。』

三日月「月胡が普段しっかりやっているからな、真似するだけでなんとかなった。」

そんな事はない。
端末操作や役割分担、大変だったはず。

『お礼しないとね。』



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