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月の雫

第12章 こんな日もあります


ー髭切ー

「失礼するよ。」

膝丸「兄者か。
月胡は寝ている。」

「そう…。」

回復には寝るのが一番。
…早く、元気な月胡に会いたいな…

膝丸「さっき、こんのすけに月胡を一人で休ませたいと相談したんだ。」

一人で休ませる…
そうか、ここじゃいつでも緊張状態だよね。

「それで?」

膝丸「可能だが、刀剣男士一名の付き添いは必要なんだって。」

「それは…荒れそうだね。」

もちろん、僕も一緒に行きたい。
月胡と二人きりになんて、こんな時じゃないとなれない。

膝丸「月胡に決めてもらうのが一番だよな。」

「そうするしかないかな。」

じゃなきゃ、血を見る事になりそうだ。

『ん…髭切…来てたんだ。』

「調子はどう?」

『熱は下がったよ。
明日には少し起きたいな。』

膝丸「薬研の許可が出たらな。」

髭切「それがいい。」

『髭切…膝丸…
ごめんね、勝手に繋がりを遮断して。
もう、しないから。
逆だったら、私も怒ったなって思って。』

膝丸「そうしてくれ。」

髭切「わかってくれたなら、いいんだ。
早く、いつもの月胡に戻ってね、」

『うん。
ありがとう、髭切・膝丸。』

月胡との繋がりの強さは、僕の誇りでもある。
どんな時でも、一番に駆けつけたい。
一番の理解者でありたい。

『あったかいね。』

膝丸「何がだ?」

『二人の気配?って言うのかな。
繋がりが、って言うのかな?
上手く言えないんだけど、髭切と膝丸は温かい。』

髭切「僕もだよ。
月胡と居ると、温かい。」

膝丸「そうだな。
安心するな、月胡の側は。」

『良かった…私だけじゃなかった。』

当たり前じゃない。
でも、月胡と僕達の想いの形は違う。
月胡のはきっと、家族愛。
僕の…
いや、僕達のは異性に対する愛情。
顕現してくれたからじゃない。
月胡を女の子として、欲してる。

ねぇ。
月胡も僕を求めて…
心の底から、身体の奥から。
そうしたら、これ以上無いってくらい愛してあげるから。

僕を選んで…



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