第11章 穏やかに賑やかに
『宗近、今のは反則。
キュンッ、ときたよ。』
三日月「そうか。」
そうだね、宗近の為にも私は幸せにならなくちゃ。
鶴丸「主ー、三日月ー。
昼メシ、持ってきたぞー。
…なんだ、羨ましいな三日月。」
三日月「いいだろう?」
『鶴丸もー。』
ふざけて鶴丸に抱きついてやった。
鶴丸「おっと、これは役得だな。」
三日月「全く月胡は…。」
今はまだ、誰かだけのものにはならない。
でもいつか、許されるのなら。
貴方を選びたい。
午後の執務中には、伽羅が来てくれた。
伽羅「レモンタルト、好きだったよな?」
『前話したの、覚えててくれたの?』
伽羅「まぁ、な。
さっき、買い出しに行ったからついでに。」
『美味しそうっ!
レモンタルトには紅茶だね。
今、用意する。』
伽羅「俺もいいのか?」
『…一人で食べろって言うの?』
伽羅「いや、そんな訳ないだろ。」
『冗談だよー。
ありがとう、伽羅。』
伽羅「あぁ。」
美味しい…
お店の場所を教えてもらって、買いに行こう。
伽羅は街の様子や、みんなの話をしてくれた。
伽羅は一歩下がってみる事ができるから、客観的で当たっている事が多い。
口数は少ない分、思慮深いのかも知れないな。
そんな感じで、引きこもり1日目は退屈する暇もなく終わった。
…はずだった。
『…髭切。』
髭切「なぁに?月胡。」
『出入り自由なのは、執務室だと言ったよね?』
髭切「うん、覚えてるよ。」
『ここは私室なんだけど。』
髭切「だって、仕事はおわったんでしょ?」
そうだけどっ!
なに自然に入ってきてるのかな?私室にっ!
髭切「今日は遠征で、月胡と過ごせなかったからね。
月胡が足りない。」
はい、本日2回目のキュンッをいただきましたー!
キュン死にしてしまうのでは?
髭切「さっ、一緒に寝ようか。」
膝丸「さすがに、アウトだ兄者。」
…前にもこんなの、無かった?
デジャヴかな?
髭切「えー?
じゃあ、えーっと…。」
膝丸「さすがに、もういいぞ。
月胡が寝るまでだ。
そうしたら、部屋に戻るんだ。」
どっちが兄かわからないな。
『眠くなるまで、話をしよう。
明日は内番だったよね?
終わったら執務室でお茶飲もうよ。』
そんな約束をして、今日を終えた。
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