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月の雫

第10章 闇退治


執務室に今日のメンバーが集まったので、軽い慰労会をした。

『お疲れ様でした。
体調や穢れは…大丈夫みたいだね。
適当に切り上げて、ゆっくり休んで。』

小狐丸「ぬしさまも、ですよ。」

『うん、ちゃんと休むよ。』

石切丸「彼らはどうするの?」

『政府から期限は決められてないから、彼らが癒えるまでゆっくりしてもらいたいな。
こちらから伺ったり、急かしたりはしないで。
それと、しばらく私は執務室と自室からは出ない。』

今剣「えっ!?
どうしてですか?あるじさま!」

岩融「彼らの為…か。」

『…そう。
女性は嫌だと思う。
彼らが訪ねて来てくれるまでは、そうする。』

石切丸「だが…。」

『あ、朝の祈祷はちゃんと行くから。』

宗近「…いいのか?』

『いいの。
執務室に居れば、みんなが来てくれるし。
もちろん、彼らも出入り自由だからね。』

まずは、彼らの傷を癒す事が最優先。

長谷部「主、よろしいですか?」

『どうぞ。』

長谷部「みな、休みました。
食事も沢山、摂っていましたよ。」

『良かった…。
みんなも、本当にありがとう。
明日からまた、よろしくね。』

全員「「はっ。」」

宗近を除き、みんなが部屋に戻った。
どうやら、私が一人で呑むのに気づいたかな。

三日月「家族が増えたな。」

『そうなると、いいなぁ。』

三日月「なるさ。」

そんな話をしながら、ゆるゆると二人で呑む。

三日月「この本丸はいいな。」

『そう言ってもらえて、嬉しいよ。』

宗近が言ってくれると、なんて言うのかな…
言葉の重みが違う。
翁の初期刀で、近侍。
その翁の後任で来て、今の本丸をいいと言ってくれたんだもの。

『…ずっと、一緒に居たい。』

三日月「居るんだろ?」

『うん。』

私が終わる、その時まで。

三日月「月胡。
…触れてもいいか?」

『?うん。』

なんで、そんな事を聞くんだろう。

…って。
なんだか、ムーディーに肩を抱かれちゃってるんだけど。
だから、聞いたのか…

でも、なんだか心地いい。
ちょっと、宗近の肩にもたれかかってみる。

三日月「愛奴よ。」

『今だけ、ね。』

三日月「あぁ。」

そのまま静かに夜がふけていった。



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