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月の雫

第10章 闇退治


『長谷部ー。』

長谷部「お呼びですか?」

『今、宗近に保護した刀剣のお世話をお願いしてるの。
で、今日はゆっくり休んでもらうよう伝えてくれる?』

長谷部「主が行かなくて良いのですか?」

『女性で嫌な思いをして来た方々だからね。
彼らの方から会いたくなるまで、私からは行かないよ。』

長谷部「主…。」

『あと、今日の任務に出たみんなにもお風呂と食事を。
それが終わって落ち着いたら、執務室に来るように伝えて。』

長谷部「はっ。」

さーて。
私もお風呂に入ろうかな。

好きな香りの入浴剤を入れた湯船につかる。
やっぱり、ウチの本丸は良いなぁ。
みんながのびのびしてるもん。
…彼らものびのびさせてあげたいなぁ。

暫くは装束じゃなくて、私服にしよう。
それも、ボーイッシュな感じに。
彼らが在り方を決めるまで、この本丸にいる間は女性という部分は極力しまっておこう。
…いっそ、ジャージを着る?
内番着がジャージの子も居るし、そうしよう。

お風呂を出て、早速ジャージを着る。
髪も一つに結っただけにして。

執務室に行き、マシンで淹れておいたコーヒーを飲む。
甘いもの…あったかな?

光忠「主、入るよ。」

『どうしたの?』

光忠「ちょうど、よかった。
甘いもの、作ったんだよ。
食べて、リラックスしてね。」

『ありがとー!欲しかったんだー。』

光忠「いいえ。
…その服装も、似合ってるね。」

私の意図を理解したのか、頭を撫でてくれた。

光忠「主は本当に、いい子だね。」

『いや、一応成人してるんですけど。』

光忠「それは、わかってるよ。
俺達くらい、甘やかしたっていいよね?」

『うん。』

そうだね、甘えさせてくれる抱擁力がみんなにはあるもんね。
今日は!甘えさせてもらおう。

髭切「月胡ー、来たよ。」

膝丸「月胡は落ち着いたか?」

『うん。
光忠に甘いもの、もらったー。』

髭切「それは、良かったね。」

髭切が頭を撫でてくれた。

膝丸「珍しいな、ジャージとは。
…まぁ、察しはつくが。」

髭切と膝丸が私を挟んで座った。
あー、落ち着く。

今回、かなり気を張っていたんだと実感する。
嫌な気持ちにもなったから、本丸の空気がいつもより沁みる。



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