第10章 闇退治
ー月胡ー
朝から禊と祈祷を済ませ、正装に着替える。
玄関へ行くと、一緒に行くメンバーが戦装束で待っていた。
翡翠「おはようございます、月胡殿。
刀剣男士の皆様も、ご協力に感謝する。」
今日の翡翠から、おちゃらけた雰囲気は感じない。
彼もまた、真剣なのだ。
『おはようございます、翡翠様。
…参りましょうか。』
翡翠「はい。」
全員で転送装置へ向かうと、長曽祢・一期・和泉守が見送りに来ていた。
和泉守「主…。」
『…一度は手入れの為にこの本丸に彼らを連れて来ます。
彼らが望めば、そのまま仲間になってもらおうと思う。
貴方たち、説得できるかしら?」
長曽祢「もちろんだ。」
一期「弟達を…頼みます。」
『…いってきます。』
彼らに微笑みかけ、出発した。
翡翠「ここだ。」
穢れがすごい。
本丸として機能してないな。
『浄化します。』
手を合わせ、念を込めて浄化する。
そしてすぐに、中の動きを止める。
『手入れ部屋にニ振、主の間に四振、広間に四振。
手入れ部屋のニ振は短刀、重傷。
今、簡易的な手当だけする。』
手入れ部屋へと気を飛ばし、彼らを包み込む。
とりあえず、痛みを和らげて眠らせよう。
『それぞれ、この紙を持って行って。
式神になるから、三条派は刀剣を保護して広間に集め終えたら飛ばして。
術を解除するから。
なにかあっても、飛ばして。』
三条派「「わかった。」」
『髭切・膝丸は、審神者を抑えたらそれで翡翠に連絡してね。』
二人が頷く。
『では、行くよ。』
三条派は本丸内を、私たちは審神者部屋へと走った。
本丸の中も荒れ放題で、とても人が生活しているとは思えない状態だ。
なんの躊躇もなく、審神者部屋の扉を開く。
部屋からは夜伽後特有の匂いが満ちていて、吐きそうだ。
床には蜂須賀虎徹・明石国行・陸奥守吉行・日本号が裸同然で寝転んでいた。
『彼らの衣服を整えてあげて。』
膝丸「わかった。」
その奥のベッドで女審神者が、こちらも裸で横になっていた。
そこへ近づく。
『…どーも。』
女審神者「アンタは…懇親会の…」
『“縛”』
女審神者「Σ!!
何よ、これっ!
解きなさいっ!!」
誰が解くか。
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