第9章 これもお仕事
本丸に帰ると、みんなが広間で待っていた。
無事の報告をして、そのまま貢物のケーキを食べて。
『みんなに話がある。』
翡翠の話をみんなにも説明する。
長曽祢や藤四郎達、和泉守が辛そうに顔を顰めたのを見ると胸が痛む。
『なので、明日の朝一に行ってくる。
一緒に行くのは三条派にお願いしたい。』
髭切「待って。
僕と弟も加えてよ。」
膝丸「頼む。」
『…わかった。
じゃ、三条派と髭切・膝丸は今から執務室に来て。
他のみんなは、休んでね。
…心配しないで。
必ず、助けるから。』
そう言い残し、三条派と髭切・膝丸を連れて広間を後にした。
『さっき、翡翠からもらったあちらの映像だ。」
空間に端末を開き、拡大して投影する。
『見ただけで、かなり穢れているのがわかる。
まずは、私が浄化する。
そうしないと、みんなが入れないし、下手すると穢れをもらうからね。
あちらの刀剣にも、良くないし。』
おそらく短刀は重傷のまま放置、残りの刀剣は蜂須賀虎徹のように己を殺している状態だろう…
想像しただけで、血が沸騰しそうだ。
『刀剣達が向かってくる事はないと思うけど、傷の状態も分からないから術で動けなくしておくね。
もちろん、あっちの審神者も。』
三日月「俺たちは何を?」
『三条派は刀剣達を保護して、状況の説明をしておいて。
髭切・膝丸は念のため私について来て。
私は審神者を捕縛する。
そして…』
膝丸「そして?」
『私がなにかしそうになったら、止めて。』
あの審神者を前にして、冷静でいられる自信がない。
髭切「だと思った。
だから、僕達はついて行くと言ったんだよ。」
『私の気持ち、伝わっちゃってた?』
膝丸「あぁ。
三日月殿も、そう思っただろう?」
三日月「あぁ。
其方らが行かなければ、俺がついて行くつもりだった。
が、一人で月胡を止める自信は無いがな。」
『そうならないよう、努力する。
じゃ、今日はゆっくり休んで。
明日は早いからね。』
今剣「あるじさま。」
『なに?』
今剣「…必ず、お救いしましょうね。」
『…うん。』
一人残らず、助けてみせるよ。
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