第9章 これもお仕事
三日月「いいのか?」
『死にはしないよ。』
三日月「いや、“あの程度で”いいのか?」
宗近セコム、本当に優秀すぎて怖いよ。
『いいんじゃない?
あの程度の悪戯返で潰れる程度なら。』
三日月「俺なら徹底的に潰すが、な。」
それも一理あるけど、あまり敵を作るのは得策ではない。
みせしめ、と言う訳ではないがあれでちゃんとした人なら分かるだろう。
…あれ?
嫌な気を感じる。
私に向けて、ではなく。
穢れている審神者が居るな。
気配だけで探ると、妖艶な女審神者に行き着いた。
一緒の刀剣は…蜂須賀虎徹。
顔色が良くない。
気も塞ぎ込んでいる。
これって…
翡翠「月胡殿。」
翡翠が“殿”を付けて呼ぶ時は、公式という事。
『はい、なんでしょう。』
翡翠「懇親会後、少しお時間をいただきたい。」
『かしこまりました。』
翡翠も今何かを感知したんだな…
『宗近も、いい?』
三日月「かしこまりました。」
こりゃ、面倒な事になりそうだ。
懇親会は宗近セコムのお陰で、変なのに絡まれずに済んだ。
会が終わって席を立つと、モーゼのように私の通り道が空いた。
…ホント、こういうのやめてくれ。
さて、翡翠の所へ行くか。
『失礼します。』
翡翠「どうぞ。」
おー、久しぶりに見たな。
シャキッとした翡翠。
翡翠「懇親会前は失礼した。
こちらのチェック後の事であった。」
『いえ。』
翡翠「アイツ、消されたわ。」
『やはり、上役の指示か。』
翡翠「正解。
そっちは俺がヤっちゃった。」
『…で?
あの女性審神者の件?』
翡翠「正解。
ブラック本丸、教えたよな?」
『…やっぱり。
どのタイプ?』
翡翠「ハーレム強制系。
短刀達はどうなってるか。」
渡された資料では、その本丸に居る刀剣は近侍をしていた蜂須賀虎徹。
・浦島虎徹
・日本号
・後藤藤四郎
・前田藤四郎
・陸奥守吉行
・歌仙兼定
・明石国行
・蛍丸
・愛染国俊
以上、10振。
『…いつ行くの?』
翡翠「お前次第だ。」
『じゃ、明日の朝一。』
翡翠「メンツは?」
虎徹・藤四郎・兼定はやめておこう。
ならば、三条だな。
『三日月宗近、小狐丸、石切丸、今剣、岩融。
いいかな?宗近。』
宗近「もちろんだ。」
『私も行っていいんでしょ?』
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