• テキストサイズ

月の雫

第9章 これもお仕事


なんだか、急に力が湧いて来た。
服装だけでなく、宗近がちゃんと護ってくれてる。

『会場でも、よろしくね。』

三日月「任せておけ。」

ゲートを抜ければ、政府の施設内に出た。
きちっとした雰囲気がちょっと、苦手。

翡翠「月胡!
…って、随分と盛大に護られてるなぁ。」

『……。』

最初に会うのが翡翠ってだけで、気持ちが塞ぐ。

翡翠「その目はやてめ。
さすがに、傷つく。」

…勝手についてて。

三日月「その節は、世話になった。」

翡翠「いいえー。
…ていうか、凄いな。
もう、全身から“ウチの主に手を出すな”オーラがダダ漏れ。」

『でしょうね。』

翡翠の印象は最悪だろうから。

翡翠「愛されていて、何より。
…それより、三日月宗近。」

三日月「なんだ?」

翡翠が宗近の耳元で

翡翠「月胡、色んな意味で狙われてるから。
目を離しちゃダメだよ。」

三日月「わかっている。」

翡翠「まあ、繋がってるみたいだから心配いらないかな。
月胡自身もその辺はプロだし。」

『…慣れただけでしょ。』

慣れたくもないけど。

『何の為に宗近が自ら来てくれたと思ってるの?』

ねっ?
と、宗近を見上げると嬉しそうに頷いた。

翡翠「ホント、大丈夫そうだ。
政府側は、俺がヤッといたから安心してねー。」

『それは、素直にありがとう。』

宗近「では、参ろうか。」

『うん。
じゃ、またね翡翠。
…出来れば、会いたくないけど。』

翡翠「だから、ひとことっ!!」

翡翠も言ってたけど。
宗近の選んでくれた装束には、彼の力が。
髭切・膝丸からのブレスレットはもちろんのこと、出かける前にみんなが念を込めてくれたんだ。
余程のアホ以外は近づいて来れない。

会場に入ると、ざわついた。
宗近が近侍だからだろう。
顔見知りの審神者と挨拶を交わし、席札の示す場所に座る。

…悪戯がしてあるな。

『宗近。』

三日月「あぁ。」

宗近を一歩下がらせ、悪戯を解いて結界を張る。
まったく、懲りないというか何というか。

?「うわっ!!」

はい、悪戯返・成功。
アイツがしかけたのか…ご愁傷様。
大方、政府のお偉いさんに唆されてんだろうけど。
自業自得ですな。


/ 274ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp