第9章 これもお仕事
で、懇親会当日。
…宗近色に染められました!
『これ…
かなり高価なんじゃ…?』
しかも、装束だけでなく、全身コーディネートしてある。
こういうのが宗近の好みなんだ…
素材が良くて、大人っぽい色使い。
アクセサリーはムーンストーンで統一されている。
『似合ってる?』
長谷部「お似合いですっ!!」
髭切「確かに良く似合ってるけど、三日月色って言うのが気に入らないなぁ。」
そう。
小物や袴は濃紺で統一されている。
鶴丸「ここまで露骨に、隠す事もない独占欲も凄いな…。」
岩融「三日月殿にここまでさせるとは、さすが主!」
がっはっはっ、と笑う岩融…
いや、我ながら似合うとは思うんだけど。
…鶴丸の言う通り、かなり“三日月宗近のモノだ!”ってオーラが凄いのよ。
三日月「似合うのだから、良いであろう?」
髭切「月胡、これも付けて。」
『数珠のブレスレットだ。』
乳白色と淡い緑色の石が使われてる、と言う事は。
『髭切と膝丸?』
膝丸「そうだ。
無事に帰って来れるよう、兄者と祈りを込めて作ったのだ。」
『えっ!?手作りなの??
凄いね!ありがとう。』
乱「僕、何も用意してないっ!
だから…えいっ!!」
『おっと!』
乱に抱きつかれた。
今剣「乱さん、ずるいっ!ぼくもっ!!」
小夜「僕も。」
薬研「じゃ、俺も。」
厚「なら、俺もー。」
と、短刀達に抱きつかれ。
加州「えー、差別は良くないよー。」
大和守「だよねー。」
次に沖田組。
大人刀剣達は、頭を撫でてくれた。
長曽祢「何事もないように、祈ってるぜ。」
『うん。
じゃ、宗近。行こうか。』
三日月「あぁ。
では、いってくる。」
「「「いってらっしゃーい」」」
みんなに見送られ、ゲートへ向かう。
…腰に回された、宗近の手が気になる。
『あの…宗近?』
三日月「なんだ?」
『腰の手は?』
三日月「“えすこーと”と言うんだったか?
男が女性をお連れするのだろう?」
『合ってるけど、懇親会にエスコートは必要?』
三日月「それだけ、大切にされてるとアピール出来るであろう?
俺の意思でしているんだ、良いではないか。」
また、そんな事を言って。
本当は、私が少し不安な事に気づいてくれたんでしょ?
触れる事で安心できればって。
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