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月の雫

第9章 これもお仕事


ー月胡ー

『うわっ。』

来たよー、面倒なのが。

三日月「どうした?」

『懇親会だって。』

名目上はそうだけど、中身は合コンみたいなモノなんだよなぁ。
行きたくない…
でも、有益な情報が得られる事もあるから馬鹿にできないし。

『どうしよう?』

三日月「同伴者は?」

『近侍一名。』

でも、天下五剣の宗近を連れて行くの?
そもそも、三日月宗近を近侍にしている審神者が居ない。
私の宗近は翁が育てたから素直だし、近侍もこなしているが。
本来の彼ならば、のらりくらりと躱しているだろう。

…まぁ、喰えないヤツではあるが。

三日月「何を考えているか、伝わってくるぞ。」

『スルーしなさい。』

私の中にある宗近の神気から伝わったか…
もう少し抑え込んでやろうか。

三日月「もう心を読まぬから、それはやめてくれ。」

『はーい。』

さて、本当にどうしようか。
翡翠にも会いたくないし、宗近と翡翠を会わせるのも怖い。
(前回、抜刀してるからね)

『サボるか。』

三日月「月胡?」

はい、ダメなんですね。

『じゃ、一人で…』

三日月「……。」

無言でにこやかに見ないで。
怖いから。

『近侍、変える?』

三日月「月胡…
そろそろ、怒るぞ?俺でも。」

『一緒に行ってください。』

三日月「あい、わかった。」

逆パワハラだよー!
ていうか最近、刀剣達の方が上役みたいじゃない?
下克上!?
下克上なのか?

三日月「いつなんだ?」

『2週間後。』

三日月「ふむ。
では、新しい装束を誂えるか。」

『いいよー、これで。』

私にお金を使うなら、本丸に使いたい。
だいたい、装束って高いんだよ。
あまり需要がないし、無駄にいい生地で作るから。

三日月「ならば、俺が用意するぞ?」

『えっ、ダメ。
宗近のお金は、宗近のために使って。』

三日月「俺の為に月胡を着飾るのだ。
男名利に尽きるぞ?
女子を自分好みに仕立て上げるのは。」

オッサンか?
あ、じじいだったか…

三日月「また、何やら失礼な事を考えていないか?」

『自分で言ってるんじゃない、じしいって。』

三日月「事実だからな。」

て言う事は、叔父様趣味じゃなくておじじ様趣味?

三日月「俺色に染めてやる。」

なんか、別の意味にとれるから。


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