第8章 おかえりといらっしゃい
乱「主さんっ!!
『どわっ!!』
乱が後ろから飛びついて来て、盃のお酒が顔にかかった。
太郎「Σ主っ!!」
石切丸「こら、乱。」
乱「ごめんなさい!」
『いいよ、大丈夫。』
お酒の化粧水があるくらいだ、明日はツヤツヤになるだろう。
『どうしたの?』
乱「僕、嬉しくって!
一兄を顕現してくれて、ありがとう!」
『いいえ。』
一期「私からもお礼を言わせてください。」
『お礼を言うのは早いかも知れませんよ?』
一期「えっ?」
『どうします?
ものすごくこき使われたら。』
薬研「大将は、そんな事しないだろ?」
厚「せいぜい、酒で潰すくらいだな。」
『いや、私が潰した事はない。』
和泉守と次郎は勝手に潰れただけだし。
鯰尾「あっ、でも。
怒らせない方がいいかも。」
一期「そうなのですか?」
骨喰「以前来た政府の役人への殺気は凄かった…。」
『それは、あの人にだけだよ。』
翡翠がした事を思えば、当然だと思う。
五虎退「主さまは優しい方だから大丈夫ですよ、一兄。」
一期「まだ顕現して間も無いですが、それだけは分かります。」
江雪「そうですね。
小夜がこんなに伸び伸びしているのを見れば、貴女がどんな人か分かります。」
小夜「うん、主は優しいし強いし。
約束は必ず守ってくれる。」
小夜や五虎退に言われると、素直に嬉しいな。
『これからも、そう言ってもらえるように頑張るね。」
今剣「あるじさまは、今のままでいいんです!」
岩融「さ、俺の酒も飲んでくれ。」
『いただきます。』
長谷部「間違っても、主と飲み比べようなどと思うなよ…。」
長曽祢「そうそう。
ザル通り越して、ウワバミだからなぁ。」
『褒めるなよ、照れる。』
和泉守「いや、褒めてねぇ。」
なんだよ。
潰すぞ?和泉守。
あ…
石切丸の視線を感じる。
大丈夫だから、信用してくださいって…
ホント、怖いから。
それからみんなで飲んで飲ませて、夜がふけていった。
『明日は臨時休業かな。』
三日月「それが良さそうだな。」
久しぶりに会えた兄弟と、思い思いに過ごしたいだろう。
みんなにそう告げて、私は広間を後にした。
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