第8章 おかえりといらっしゃい
翌日
朝の日課をこなし、門の近くでソワソワ。
部屋にいても落ち着かなくて、まだかまだかと出て来てしまった…
太郎「主?」
『Σ太郎っ!!』
すごい…
神格が上がってる。
なにより、自信に満ち溢れていて眩しいくらいだ。
太郎「ただいま戻りました、主。」
『おかえりなさい。
お疲れ様でした。
身体は大丈夫ですか?』
太郎「はい。
…これからは、主だけの太刀として生きていきます。」
私の手をとり、手の甲に唇を落とした。
『太郎…。』
次郎「兄貴っ!
おっかえりー!!」
太郎「次郎、ただいま。」
すっと、手が離れた。
太郎、本当に私の為に行ったんだ…
『ありがとう…。』
太郎「なにか?」
『なんでもないよ。
太郎、お風呂に入ってゆっくりして。
報告は明日にしよう。
明日、ゆっくりね。』
太郎「そうさせてもらいます。」
さて…と。
次は。
鍛刀部屋に直行。
宗近にはお使いを頼んであるから、鍛刀したら私室にお通しして。
『おはよう、鍛冶師さん。
今日は4振りなんですが、お願い出来ますか?』
“もちろん!”と言うように、胸をたたいて自信満々だ。
それぞれの資材に祈りを込め、手伝い札と共に渡す。
すぐに打ち上がり、4振りが手渡された。
一振りごとに力を込めて、顕現する。
?「私は一期一振です。」
?「岩融だ!」
?「……江雪左文字と申します。」
?「……宗三左文字と言います。」
『ようこそおいで下さいました。
当本丸の主・月胡と申します。
細かい説明をさせていただきたいので、場所を変えさせていただきます。』
まずは、私室へとお連れした。
お茶とお菓子を出して、今日の企みの説明をした。
江雪「そうですか…お小夜がすでに居るのですね。」
『はい。
いろいろと助けていただいてます。』
江雪「…貴女は、戦が好きですか?」
『出来る事なら、誰も傷つかぬようありたいと思っています。
江雪さまは…』
江雪「江雪、とお呼び下さい。」
『では、江雪。
貴方は戦を好まない事は、存じています。
ですが、護るために是非、貴方のお力をお貸しいただきたい。』
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