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月の雫

第7章 お手合わせ


んん…
ベッドが狭い。
寝返りが打てないぞ?

………

目を開けると、髭切のお美しいお顔が。

あぁ、昨日運んでもらってる途中で寝ちゃったのか。
それで、そのまま髭切も一緒にベッドで眠ったのね。

…いろいろと思う所はあるけれど、日課をこなそう。

ベッドから出ようとしたら、

髭切「僕を置いて行くの?」

『祈祷に行くんだけど?』

髭切「いってらっしゃい。」

あ、行かないのね。

『自分の部屋に戻ったら?』

髭切「えー。
この布団、寝心地が良いんだもん。
今日も一緒に寝ていい?」

膝丸「却下だ、兄者。
月胡、失礼する.」

『おはよう、膝丸。
昨夜はお兄様をお借りしてしまったようで。」

膝丸「いや、その様子だと何も無かったようだな。
安心した。」

『いや、酔って襲ったりしないよ。」

膝丸「俺が言ってるのは、その逆だ。
兄者、帰るぞ。」

髭切「えー。」

膝丸「えー、じゃない。
ほら、行くぞ。」

髭切「またね、月胡。」

『ん。』

膝丸、グッジョブだ。
おそらく、何度か来てくれたんだろうな。
私が熟睡していたから、見守っていてくれたのか。

…まてよ。
て、事は。

石切丸「主。」

『はい。』

祓い殿に行くと、石切丸に正座させられた。

石切丸「徹夜は金輪際、禁止だよ。」

『わかりました。』

石切丸「まったく…
広間からいなくなったと思ったら、髭切殿と同衾しているなんて。」

『ごめんなさい。』

石切丸「本当に、気をつける事!
髭切殿を信用していない訳ではないが、彼だって男なんだからね。」

『はい。』

お叱り、ごもっともです。
甘えが過ぎたな。
祈祷が終わってから、気合の滝行へ。
禊じゃなくて、修行。

太郎が頑張ってるのに、駄目だなぁ。
しっかりしないと!

『よっし!』

気合入った。
ビシバシ、働くぞっ!

三日月「禊をしてきたのか?」

『今日は滝行。
気合を入れて来た。』

三日月「そんなに、がんばるな。
大丈夫だ、月胡は。」

『宗近は、私に甘いんだから。』

三日月「ダメな時は、ちゃんと叱る。
今朝はもう、石切丸に叱られただろ?
ならば、これ以上はいいだろう。」

『…ありがとう。』

お見通しですか。
油断ならない…



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