第6章 日常
ー月胡ー
やってしまった…
仕事中に居眠りだなんて。
宗近は優しいから寝かせてくれたけど、恥ずかしい。
?「わっ!!」
『おー、鶴丸かぁ。』
鶴丸「驚かないのかよ!」
『ごめん、気配でわかったよ。』
鶴丸「力があるっていうのは、驚きを殺すな…」
『そんなにしょげないでよ。
あ、鶴丸。
これからご飯?』
鶴丸「あぁ。」
『みんなを呼んできてくれないかな?』
鶴丸「あぁ、いいぜ。
広間だよな?」
『うん、お願いします。』
居眠りしちゃったけど、徹夜したおかげでみんなの御守りが完成した。
一度なら身代わりにもなってくれる。
役には立つはずだ。
鶴丸「主、全員そろったぞ。」
『ありがとう。
みんなに、これを。
宗近にはもう、渡してあるんだけど…』
御守りに刺繍した名前を確認しながら、一人一人に渡す。
石切丸「御守りだね。」
『そう。
一度なら身代わりにもなってくれるから。』
青江「そんな効果が…」
『うん…
だから、邪魔にはならないかと。』
小狐丸「邪魔だなんて!
こんなに嬉しい贈り物はありませんよ。」
乱「名前も入ってるし!
主さん、ありがとう!」
良かった…
受け取ってもらえて。
それぞれ、首から下げたり懐にしまったり、髪に結ったりとして身につけてくれた。
盛り上がってるみんなを、酒を呑みながら見ていた。
伽羅「食べろ。」
『伽羅…ありがとう。』
珍しく、ふわふわしてきたな…
髭切「月胡、大丈夫?」
『うん…
なんだか、ふわふわして気持ちいい。』
お酒呑んで酔うなんて、初めてかもしれない。
徹夜で呑むと、こうなるのか。
髭切「それくらいにして、寝た方がいいんじゃない?」
『だね…そうする。』
髭切「連れて行ってあげるよ。」
『大丈夫だよ?』
髭切「僕が心配なの。
大人しく連れて行かれて。」
『はーい。』
って。
『髭切…』
髭切「なぁに?」
『…何故にお姫様抱っこ?』
髭切「これが一番いいでしょ?」
そうかなぁ…
あぁ。
でも、気持ちいい…
髭切の歩くリズムが、睡魔を連れて来る。
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