第5章 色々あります
“仕方ない”
“私にしか出来ないんだ”
“頼りにされてる”
そう言い聞かせて来た。
でも、本当は
“もう、逃げたい”
“何で私なんだ?”
ー幸せになりたいー
そう、思い続けていた。
でも、いくら思っても、どんなに願っても叶わないなら、考えないようにするしかない。
そうしなければ、壊れてしまう。
しかし、一度決壊してしまった気持ちは抑えられない。
認めたくなかった。
とっくに捨てたはずの気持ちを、弱い自分を。
『こんな審神者でごめん…。
みんなは審神者を選べないのに…。
今だけ…だから……
明日までには、切り替えるから…。』
だから…
『捨てないで…。』
だって、力があるから大切にされてるんでしょ?
“私”じゃなくて、“力を持っている私”を。
私を見て…
何者でもない、本当の私を求めて欲しい。
身体を重ねる事だって…
ちゃんと、気持ちの通じ合った人としたかった。
『…あれ?』
私…
いつの間に眠ってたんだ?
んんっ!?
これ…膝枕だよね?誰の膝?
そっと首を動かして見ると、宗近の顔が見えた。
宗近の膝枕だったのか。
それに…私が膝枕で寝ているのは執務室のソファーて。
すぐ下には膝丸・髭切。
両サイドに石切丸・薬研。
それどころか、執務室に全員集合し、所狭しと寝ているじゃないか!
なんで?
あ、それより宗近が重いよね。
起こさないよう、そーっと起きあがろうとすると、
三日月「まだ、早い。」
『でも、重いでしょ?』
三日月「軽い軽い。
月胡一人くらい。
月胡の人生ごと、丸ごと背負ってやる。』
『宗近…。』
三日月「我らわみな、月胡だからついて行くのだ。
力があろうとなかろうと、何者であったとしても。
月胡以外、ありえぬのだ。」
髭切「月胡は僕達は選べないと言ったけど、選べるんだよ。」
膝丸「俺達が選んだのは月胡だ。」
石切丸「君だけだよ、こんな風に思わせてくれたのは。」
薬研「俺達に選ばれて、迷惑か?」
『そんな訳ないでしょ!?』
三日月「ならば、」
全員「「「ここで、一緒に幸せになろう。」」」
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