第5章 色々あります
ー月胡ー
体の中でよからぬモノと宗近の気が攻めぎあっていて、膝丸の気も加わり、石切丸が祓ってくれた辺りで、何が起こったか理解できた。
奴が来てるな。
しかも…
ずいぶんと好きなように言ってくれてるじゃないか。
『訂正しろ。』
奴に目掛けて力を放つ。
部屋の入口から、執務室まで吹き飛ばす。
薬研「たっ、大将!?」
『ちょっと、待っててね。』
出来るだけ怖がらせないように笑顔で言い、ベッドから出る。
『おいこら。
結界で入れないからと言って、随分な事をしてくれたな。』
?「えー?
会いに行くって言ったのに、結界は強化するわ、あんな式神よこすわ。月胡の方がひどいじゃない。」
ドカッ!
ヤツの顔の横に蹴りを入れる。
『そんな事より、まずは訂正と謝罪だ。
私の刀剣になんて事を言いやがる。』
?「褒めたんだよぅ。
ちゃんと月胡を守れてるって。
これでも心配してたんだよ?
月胡がちゃんと受け入れられてるかって。」
ヘラヘラして、本当に…
『はい、ごめんなさいは?』
胸ぐらを掴んで立ち上がらせる。
?「ごめんなさい。」
石切丸「あの…主?
こちらの方は…?」
『政府の私の担当者!』
?「嫌だなぁ、初めての男にたいして随分じゃない?
名前で呼んでよ。」
…いっぺん、締めてやろうか。
ていうか、みんなが殺気を放っている…
私がヤる前に、斬られるぞ。
『訓練の一部だろうが。
何の感情もなかったくせに。』
それは、私も同じだが。
『みんな、とりあえず殺気を抑えて。
後で説明するから。
で、コイツは翡翠。
さっきも言ったけど、私の担当者だ。
…ムカつく事に。」
翡翠「最後にサラッとなんか言ったよね?」
『要件を言え。
そして、すぐに帰れ。』
翡翠「つれないなぁ。
あんな事やこんな事もした仲なのに。」
『死にたいの?』
翡翠「ごめんなさい。
ていうか、今日は月胡を試したんじゃない。
ここの刀剣を試させてもらった、
月胡をちゃんと護れるのか、刀剣同士で連携がとれているのか。」
なんだって?
抜き打ちの試練って事?
『にしては、手荒だし期間が短すぎるでしょ?』
翡翠「月胡はそれだけ例外なんだよ。
ちゃんと自覚しろ。」
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