第5章 色々あります
ー膝丸ー
「三日月殿!」
三日月「膝丸か。
…どうした!月胡!!」
「先程、月胡は呪を祓わなかったか?」
三日月「あぁ、祓っていた。」
「おそらく、それが悪さをしている。
自室の扉をあけてくれぬか?
兄者が石切丸殿を連れて来てくれる。」
三日月「わかった。」
三日月殿について月胡の自室に入り、ベッドに寝かせる。
月胡の気配が、何かに遮られている。
月胡の手を握り、気を送る。
月胡…
聞こえるか?月胡…
俺は側に居るぞ。
髭切「連れて来たよ。」
石切丸「失礼するよ。」
兄者が石切丸殿を連れて来てくれたので、ひとまず月胡から離れる。
石切丸「うん…穢れがついているようだが…
なんだろうね、この穢れは。
今まで見たことのない物だ。」
三日月「月胡の知り合いが、試すために放った物らしい。
だが、月胡が呪を解いたぞ?」
髭切「…なんだか、複雑なモノが絡みついてるね。
三日月の気も抑え込んでいるみたいだし。」
俺の気も、何の役にも立っていない。
石切丸「ひとまず、祓ってみるよ。」
石切丸殿が祈祷を終えると、薬研殿が来た。
薬研「外傷はないな。
祈祷も成功したようだし、もう少しで目を覚ますだろう。」
確かに、穢れが弱まった。
これくらいなら、月胡が目を覚ませば消え去るだろう。
…良かった。
?「いやぁ、見事な連携だねぇ。」
!!
三日月「何奴。」
いきなり月胡の部屋の入口に、男が立った。
三日月殿が抜刀し、対峙している。
俺達は、月胡護るように囲む。
?「おー、立派な番犬だな。
たった数日で、ここまで飼い慣らすとは。」
なにを…
『訂正しろ。』
バチンッ!!
月胡の声がしたかと思ったら、その男が弾き飛ばされた。
「月胡っ!」
ベッドから起き上がり、術を飛ばしたようだ。
髭切「大丈夫かい?」
『みんなのおかげて。
ありがとう、ちょっと下がってて。
アイツと話してくる。』
石切丸「大丈夫なのかい?」
『大丈夫。』
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