第5章 色々あります
伽羅「主。」
『あぁ、時間だね。
迎えに来てくれて、ありがとう。
宗近、行ってくる。』
三日月「留守は預かろう。」
執務室は宗近に任せ、伽羅と鍛刀部屋へと向かう。
鍛冶師から刀剣を受け取り、祈りを込める。
(目覚めよ…)
?「鶴丸国永だ。平安時代に打たれてから、主を転々としながら今まで生きてきた。ま、それだけ人気があったってことだなあ。」
『鶴丸国永さま、ようこそ。
当本丸の主・月胡と申します。』
鶴丸「君が主か。
よろしく頼む。」
伽羅「鶴丸…。」
鶴丸「おー!伽羅坊じゃないかっ!」
『伽羅が貴方の顕現を望んだのです。
伽羅、鶴丸さまを頼みましたよ。』
伽羅「任せておけ。
行くぞ、鶴丸。
燭台切も待っている。」
鶴丸「光坊も居るのか!
こりゃ、驚きだ。」
良かった……
あれ?
目眩がする……
目の前が真っ暗になった所で、私の意識は途切れた。
ー髭切ー
弟との手合わせをしていたら、月胡の気が弱まった。
何かあったのか?
膝丸「兄者。」
「うん、行こうか。」
鍛刀部屋だな。
鶴丸国永の顕現に成功したようだけど。
さっきも、呪のようなモノを祓ったようだし。
何か、予想しなかった負荷がかかったのかもしれない。
「月胡!」
鍛冶師「!!」
鍛冶師達が月胡を囲んで、オロオロしている。
膝丸「大丈夫、俺たちがなんとかするから。
安心しろ。」
膝丸の言葉に安心したのか、鍛冶師たちは頭を下げた。
小さき者たちにも、愛されているんだな。
膝丸「兄者、俺が部屋まで運ぶから石切丸殿を呼んできてくれ。
穢れが悪さをしている。」
「わかった。」
さっき祓った呪が悪さをしているのか。
月胡が祓えないほどの呪って、いったい…
「石切丸。」
石切丸「おや、髭切さん。
どうかしたのかい?」
「月胡が倒れた。
穢れが関係しているから、一緒に来て。」
石切丸「わかった、すぐ行くよ。
薬研!薬研は居るか!!」
薬研「どうした?石切丸の旦那。」
石切丸「主が倒れたそうだ。
君も一緒に来てくれないか。」
薬研「わかった、道具を持ってすぐに行く。」
石切丸と一緒に、月胡の元へと急ぐ。
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