第35章 かけがえのない日々の中で
こんな風に休暇を過ごし、明日は本丸へ戻る。
一人一人と向き合えた、良い休暇だったな。
翡翠「よっ。」
部屋でくつろいでいたら、ラフな服装の翡翠がいきなり訪ねてきた。
『翡翠!何かあったの?』
翡翠「いや。
休暇をもぎ取ったから、最終日くらいは俺も参加させてもらおうと思ってな。」
『良かった!何する?お茶?お酒?プール?』
翡翠「まぁ、落ち着けって。
まずは、風呂にはいってくるわ。
激務だったから、身体がバキバキだよ。』
『上がったらコーヒー飲もうよ。』
翡翠「おー。チョコ、持ってきたからなー。」
…やつれているな、翡翠。
私が不在の間、この本丸と自分の仕事の両方をこなしていたんだもんね。
翡翠「あー、さっぱりしたー!」
お風呂から戻ってきた翡翠は、先程よりいくらか顔色が良くなっている。
良かった、少しは疲れが取れたようだ。
『どうぞ。』
翡翠「さんきゅー。
なぁ、月胡。
残りの時間は俺にくれないか?
何も考えず、お前と過ごしたくなった。」
『わかった。』
今はただの友人?戦友?それとも、家族かな。
そう言う関係で、リラックスしたいんだね。
それからは、夕飯まで翡翠とたくさん話をした。
本当に、取るに足らないようなくだらない話で笑い合い。
ただひたすら心地よい時間が過ぎる。
女将「月胡様、翡翠様。
宴会の準備が整いました。
皆様、お待ちですよ。」
翡翠「はーい。
じゃ、行こうか。」
『いいの?』
今夜は最終日という事で、宴会にしてあった。
ゆっくり過ごしたかったんじゃ…
翡翠「明日一日は本丸で休むんだろ?
だったら、宴会は楽しもうぜ。
その後は、眠くなるまで話してさ。
明日の朝になったら、俺は帰る。」
『わかった。』
みんなも翡翠が来ている事は知っていたようで、私不在の間の苦労を互いに労っていた。
すっかり、仲良くなったのね…
きっと、翡翠とはこれからも長い付き合いになる。
刀剣たちとも、良い関係になれて本当に良かった。
翡翠「いやぁ〜、飲んだ飲んだ!」
『でも、相変わらず顔色一つ変わらないね。』
翡翠「まぁな。
でも、こんなに楽しくてうまい酒は久しぶりだった。」
『それは、何より。』
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