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月の雫

第35章 かけがえのない日々の中で


『ぷはぁっ!!』

息がもたなくなり、陸奥守を押し退けて顔を出した。

愛染「どうした?主!!」

『…大丈夫、ちょっと陸奥守に驚かされたの。』

陸奥守「すまん、すまん!
ちっくと、驚かせたくなってのぅ!!」

もう…
陸奥守の無邪気な笑顔に、怒る気が失せてしまった。

『溺れるかと思ったよ。』

陸奥守「そん時は、ワシが“まうす とぅ まうす”で蘇生しちゃる!」

いや、その前にやらないでください。

陸奥守「ほんに、すまんかった!けんど…。」

すっと、私に近づくと耳元で…

陸奥守「口づけした事は、謝らん。」

と言い残し、プールから上がった。

…もうっ!
心臓がいくつあっても足りないわっ!!
なんだって、刀剣男士は顔面偏差値と男前度が高いのよっ!
キュン死にするよ…

同時に、チクリと胸が痛む。
誰かを選ぶという事は、選べない人も居るという事。
ちゃんと、受け入れてくれると分かっているけれど…
私も受け止めないと。
私にくれる想いを。

それから、部屋に戻り蜻蛉切・村正と約束のお茶をした。
脱ぐ脱がないの騒ぎをしない村正は落ち着いていて、蜻蛉切同様に話しやすい。
会話のテンポも良くて、良い時間が過ごせた。

昼食を済ませた後は、粟田口のみんなと広間でボードゲームやトランプをして過ごし。
夕方から夜にかけて、新選組たちとゆっくりと呑む。

『強くなったんじゃない?和泉守。』

堀川「兼さんは、陸奥守さんと競わなければ大丈夫なんですよ。」

なるほど…
競争してがぶ飲みしなければ、潰れないのね。

『ゆっくり呑もうよ、和泉守。』

和泉守「そうしたいのはやまやまなんだが…。」

長曽祢「挑発されると、乗っかっちまうんだよな。」

と、和泉守の頭をぐりぐりと撫でながら長曽祢が言った。

和泉守「ちょっ、長曽祢さんっ!」

長曽祢にかかると和泉守は弟みたいになるなぁ。
新選組メンバーは、バランスが良い。
戦闘に出しても安心して任せられるし。

『ホント、立派に育ったねぇ。』

加州「母さんかよ。」

和泉守「いや、ばあちゃんだな。」

…母さんはまだしも。

『…やるか?和泉守。』

和泉守「なんでだよっ!」

ったく。
酒で潰すぞ。



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